木村剛『僕らの年金脱退宣言』

さて、この本は、木村剛による、年金論みたいな内容である。
ちょうど、社会主義について考えていたところだったので、おもしろく読みました。だからこの、年金制度というのも、一つの社会主義勢力に対抗するための、社会主義的な制度だったわけですね。
この本では、当然だが、国家による年金など、信用できるはずがない、である。
元々、年金というのは、ナチス・ドイツが始めたものらしいのですが、

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その大きな特徴は、支払っているお金を、ペイするのは、はるかに年を重ねた後の、老人になってから、というそのタイム・ラグなんですね。ですから、ほとんど必然的に、ものすごい金額が、社会保険庁の帳簿に恒常的にあることになる。そのことが、どれだけ恐しいことか、なんですね。(自分のものであろうがなかろうが)大量のお金を手にしている人間が、なにをするか、これらのお金に手を出さず、清廉潔白に、日々の安月給で、しこしこ毎日を過すと、どうして言えましょうか。絶対、いろいろな理屈をつけて、そのお金を好き勝手動かし始めます(うまく自分の懐が潤うように)。ですから、最初から、あやしいんですね。それをこの本では、ネズミ講と言っています。
私は、別にここで、この本に書かれている方法はダメだとか、すばらしいとか、別に言いたいわけでもないんですが、最近の道路特定財源にしろ、東京銀行にしろ、グリーンピアにしろ、官僚が、天下り先をこうやって作って、そこを渡り歩いて、しめて、ものすごい額の退職金をせしめる構造でしょう。彼らはデスノートのキラのように「勝った!」とか言ってるんじゃないですか。人生の勝ち組気取りでしょう。

僕らの年金脱退宣言

僕らの年金脱退宣言