日本人=南京大虐殺

最近、南京事件の本を少し読むようになって、この事件こそ、世界の中の日本を総括する上で、重要だったんだな、という感を強くした。
まず、なにか、いろいろ言う前に、以下の前に紹介した笠原さんの『南京事件論争史』の一言が、すべてを尽していると思う。

南京大虐殺事件の歴史像については、その歴史的遠因ならびに近因の分析もふくめてほぼ明らかになり、現時点での到達点をまとめたものとして、

南京の日本軍―南京大虐殺とその背景

南京の日本軍―南京大虐殺とその背景

南京事件 (岩波新書)

南京事件 (岩波新書)

がある。この二書を読めば、歴史事実としての南京事件の全体像がほぼ理解できるはずである。

もう、とにかく、この二冊を読んでくれ、ってことですね。
とにかく、恐しいのが、これについてのあらましについて、まず、ほとんどの日本人が知らないということですね。学校の歴史の教科書でも、一行書いてあるかどうか。特に、前にも書いたけど、日本人の所業なのに、オン・タイムで、日本に情報が入ってきていない。
でも、世界のイメージは、日本人イコール南京大虐殺、なわけです。特に強烈に、当事者の、中国はそう。この状況で、なんにも知らないっていうのは、恐しくないですかね。
また、とにかく、世間で、啓蒙的な文化人といわれているような人たちが、なぜ、この事実の重要性について、強調しないのか。
どう考えてもおかしいのは、細部の論点がどうであろうと、まず、その全体像でしょう。まず、その全体像が提示されて、それから、細部の論点がありうるわけでしょう。まず、全体像をとにかく知ってもらうことが、啓蒙なわけでしょう。
やっぱり、最近の、保守的な動きに、警戒しているのでしょうか。
ここでよくとりあげる、videonews.com もそうなんですかね。神保さんはもっと興味もっていいように思いますが。
宮台さんは確信犯ですね。ネットを見てると、ラジオで、30万人を疑う流れで、ほぼ「なかった」に近いことを言っているみたいだ(言いたいことがあるんなら、論文にしてくれ、ですか)。そもそも、あの、小林よしのりの回ですよね。小林の『戦争論』の南京事件の個所は、ちょっと昔の典型的な否定論者の論法ですよね。さんざん、批判されてるのに、小林が反論したなんて、聞いたことがない(他の否定論者も、反論しませんねえ)。
よく分からないけど、上野千鶴子さんとか北田暁大さんとかは、宮台さんとは距離を置いてるんじゃないですか。そもそも、宮台さん、学会で相手にされてるんですかね。いったいこの人、なんか研究論文あるんですかね。
宮台さん、この前の回で、「保守政治家にしても、右翼にしても、たんに、たたいてつぶしても、何度でも、同じようなものが、でてくるんだから、たんに、そんなことをやることに、意味ない」みたいなこと言ってましたけど、それはどうぞ自分で考えてくださいよ、ってわけでね。だからって、科学的な立場は、別にあるわけでね。保守的な自己保身をみせられても、うざいなあ、ってことですか。ただ、あまり争点にならない論点だと、左翼に近い発言をするんですよね。
ちょっと、話、それちゃいましたけど、上の二冊ですので。