「DARKER THAN BLACK」

今、第二部が始まっていますね。
今回、ShowTime で、「第一部 黒の契約者」を見ている。
だいたい、第１５話以降を、ちょっと見ようとしているところ。
ストーリーについては、wikipedia がよくまとまっているんじゃないか。
舞台は、ほぼ、現代の、東京（作品の背景は、完全に、東京の実際にある場所を取材し、それを元に作られているそうだ）。
10年前、通称「地獄門（ヘルズ・ゲート）」、と呼ばれる未知の領域が、この東京に、出現する。また、その時から、空がなくなる（偽物の空となる）。また、同時に、「契約者」と呼ばれる、特殊な超能力者が出現する。彼らは、その能力と、引き換え、つまり、その「契約」の対価、代償として、その超能力を駆使する。
ある組織に属する、主人公、「契約者」の、黒（ヘイ）、と、銀（イン）、猫（マオ）、黄（ホァン）。彼らが、「チーム」となり、その与えられた、任務を遂行していく。
世界の警察は、この噂を広めないことを、最大の関心事として、活動する。つまり、そういった「契約者」や「ドール」の能力の現場を見た、一般人に対しては、その「記憶」の消去が、徹底して行われる、そんな時代設定となっている。
私がなぜ、こんな見かけ途中の話について書こうとしているか、
もちろん、このアニメと、私のこの日記を見比べてもらえれば、言うまでもないであろう。
銀（イン）。
彼女は、「ドール」（または、「受動霊媒」）と呼ばれる、「契約者」と並ぶ超能力者。ただし、「契約者」は、わずかであるが、感情を残すが、「ドール」は完全に感情をなくしている、とされている。ドールは、観測霊（契約者のみ見ることができる青いエクトプラズム）に媒体を使い、コンタクトをとり、周囲の状況を把握する。ただし、その能力は、契約とは違い、対価を払う必要はない。
銀（イン）。
彼女こそ、「無感情の女性」。しかし、今回は、エヴァの綾波、や、「ヒのカグツチ」の湯里、のように、心がないことが、制作側のアプリオリな「前提」という感じでは「ない」ことが特徴だ。
一体、「契約者」とは何者なのか。その謎は、「地獄門（ヘルズ・ゲート）」とともに、私が見ている今のところは、まだ、よく分からない。同じように、「ドール」というのも、なぜこうやって存在するのか。
作品は、第１、２話から、この「ドール」が、本当に心がないのか、が、主人公、黒（ヘイ）、のつぶやきとして、問題提起されている。
心がない、とは、どういうことなのか。黒（ヘイ）、が彼女の心がこれだ、と思うなら、どうしてそれを心と定義してはいけないのか。
この問題は、第１３、１４話において、銀（イン）を、このショートストーリーのメインにした話において、一つの究極のところまで、行く。
銀（イン）は、目は見えないが、ピアノの好きな少女であった。父を飛行機事故で亡くし、母親はそのすぐ後、彼女を助けようとして、交通事故で失う。彼女のその後のいきさつは分からないが、その虚無的な事態から、彼女自身が「ドール」となっていくことには、ある、「必然性」があったのだろう。
しかし、そんな彼女も、その記憶、をこの逃走劇の間に思い出す過程で、少しずつ「感情」のようなものの、「徴表」のようなものを見せ始める。多くの思い出と「共にある」彼女。黄（ホァン）は、決して、「ドール」にはありえないはずの涙を彼女に確認するところから、彼女が自分たちの「チーム」の一員で「なければならない」ことを葛藤の中選ぶことになる。そして、銀（イン）は、黒（ヘイ）、の仲間という言葉に反応する。彼女は、過去ではなく、この今の、「仲間」を（しかも彼女自身が）選ぶところで、第１３、１４話は終わる。
つまり、ある逆転が起きている。「ドール」とは、感情、心のない存在と、最初に「定義」されている。しかし、まだ、この「契約者」「ドール」が、この作品全体を通して、明らかになってきていない。であるなら、「ドール」には、本当は、ある種の「まっ赤に燃えるような」感情がありえない、ということには、まだ、「ならない」ということなわけだ。
もちろん、今のところ、銀（イン）、がこの作品の、重要なキーパーソンになっていくような兆候は見られない（今後は分からない）。
しかし、私は、そんなことはもう、興味がない。
この、１４話まで見てきた人たちは、みんな思っている。あのエンディング、である。

この月明かりの下 ひとり知れず
君の名前だけを呼んでいた
静かな愛情を信じてた
この光の中に・・
（Rie Fu「ツキアカリ」）

この月明かりの下で 私の名前を呼んで
たしかに逢いにゆくよ どこへでも
君のそばに
（Rie Fu「ツキアカリ」）

あの美しい不思議な光景は、もう、上記のようなことは、どうだって、どっちだっていい、そんなふうに思わせるものがある...。

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