月の思想

私はここに、「月の思想」を立ち上げる。
月、とは何か。
月とは、太陽で「ない」ものである。
太陽神、としての、アマテラス、は、現前たる存在として、この日本を、かく、あらしめてきた。
雨の日も、風の日も、嵐の日も、いつも、その後には、太陽は、その光の恵みを、大地にもたらしてくれる。
太陽こそ、私たちが日々の喜びと、悲しみを続ける、その生まれ来るところ。
では、月とは何なのか。
月とは、「なにものでもないもの」。
月は、一見、私たちとは「無関係」のように思われる。
ある日、なんの気なく夜空を見上げると、さみしそうに、ほんのり、輝いている...。
しかし、それは間違っている。
月こそが、「全て」なのだ。
月が、潮の満ち引きに影響を与えるだけでなく、女性の生理から、「あらゆること」に影響を与える。
(月こそ、私たちが「感情的」動物であることを、必然とさせる存在...。)
よく考えてみれば、日本の多くの歌。なんと月を詠んだものが多いことであろう(はるか太古の昔から、日本人の、隣には、いつも、「彼女」がいた...)。
私があのとき笑ったのも、あのとき悲しかったのも、あのとき冷静でいれたのも、あのとき私が...。
すべて、月が「そうだった」から。
あのとき私が吹く風を気持ちよく感じたのも、あのとき彼女がほんのりとはにかんでくれたのも、あのとき彼女の瞳がどこまでも澄んでいたのも...。
すべて、月が「そうだった」から。
銀(イン)。
銀(イン)が子供の頃、彼女のピアノの教師がペンライトを落とす。その人がそのペンライトを探そうとすると、銀(イン)が窓の方を向いて言う。
「探さないで。この、満月の月の光が好きだから...」。

何も掴めないような夜には
君を想わないときはない
There isn't a day I don't think about it
迷う心が 君に届くように
Rie fu「ツキアカリ」)

Tobira Album

Tobira Album

この満月の下、彼女の銀色の髪がさらに、銀色に輝く。
(そういえば、銀(イン)。でてきましたね。「いわくつき」だそーで。まったく、話の展開についてってませんが)。