恐怖の17%値上げ

私は、今年、最も日本において、消費税と同じくらいに、論争となる問題は、東電の電気料金値上げ、だと思っている。
東電は4月から、契約電力50キロワット以上の企業を対象に、平均17%に及ぶ一斉値上げを発表した。
それにしても、17%とは、ちょっとした、製造業系の中小企業なら、従業員2人は雇えるくらいの金額にはなるだろう。
「恐るべき」金額である。
もちろん、日本全国が、脱原発のために、脱原発依存の工程表を実効するために、原発廃炉にしていく費用を、みんなで助け合おうという精神なら、まだ理解はできなくはない。また、全国民で、応分の負担を行い、去年の節電のように、一緒にがんばろうとなるなら分からなくはない。しかし、東電地域
だけ
脱原発となんの関係もなく、こんな値上げを、国が許すというのが、なにを考えているのか理解に苦しむ。どうも、この東電管内の、東京圏を、企業が一つもない
過疎地域
に、東電と結託した国はしたいようだ。
それにしても変なのは、大企業から、まったく、非難する声がでてこないことだ。
あまりに変じゃないか?
週刊誌もさすがに、これだけの国民的な問題になると、追求を手を緩めないようだ。

90年から95年まで段階的に進んだ電力自由化によって、大口事業者向けは「自由化部門」とされ、電気料金は電力会社と顧客企業との相対契約となった。一方、電力使用料の少ない小規模な企業や一般家庭は「規制部門」とされ、一律の電気料金が課せられている。
問題は、東電と各企業との契約である。その内容はまったく公にされていないが、東電と”親密な関係”にある大手企業だけが優遇され、電気料金も格安になっているというのである。

今回の料金値上げに反発し、山梨県内のスーパーマーケットやクリーニング店など25社と8消費者団体が、3月22日に「独占禁止法で禁じている優越的地位の濫用に当たる」として、公正取引委員会に申告した。

東京電力は大企業には「裏値引き」している」(週刊ポスト 2012/4/13)

というか、大企業って、電気料金を本当に払っているのかな? だって、非公開なんだろ? だれも知りようがないね。無料(ただ)なんじゃない? それなら、値上げも関係ない。だって、値上げしたって、無料(ただ)なんだから。
つまり、東電は、たとえ、燃料費がどんだけ、高く買おうが、その料金を、中小企業と一般家庭に、消費税のように、
均等に
押し付ければ、福島第一の放射能漏れが、海の水で、希釈されるように、薄まって、なんとでもなるって思っているんじゃないか。だって、それで庶民は
生かさず殺さず
だったとしても、お得意様の大企業は、
常に
無料(ただ)を保証できる、ということになんでしょうからね。
それにしても、17%って、別に、世界的な石油高があって、世界中がそれで苦しんでいる、とかいう値段じゃないですからね(それなら、世界中の企業が平等に苦しみますよね)。そういった、燃料費とは、
なんの関係もなく
ただ、東電が「お金が欲しいから値上げする」って言っているだけですからね。
こんなことが許されるなら、

  • 孫に買うオモチャのお金が欲しいから値上げする
  • 明日からピカピカの車で通勤したいから値上げする
  • なんとなく隣の席の子が嫌いだから値上げする
  • あー! 値上げする

まあ。なんでもあり、ですね orz。
しかも、東電管内の一般家庭や中小企業「だけ」ですよ。その他の世界中は、今まで通りで。そんなに、東電管内から、国民を追い出したいんですかね。
これは、本当に選挙なりなんなりで、国民的な、かなり強烈な意志表示があるんじゃないか、とは思っているんですけど...。
しかし、そうは思いながらも、他方において、私はこと、この事態においても、悲観的な予測を拭えない。おそらく、東電は、この17%という、膨大な私たちから、むしりとる「そのほとんど」のお金を使って、国民マインドコントロールを、
311以前以上に強力に
推進してくるのではないか、と考えている。つまり、
広告費
である。この17%は、福島の被災者の補償ではなく、
ステマ
に使われるんじゃないか、と予想している。

津田大介 まず、環境省というところがどういうことを考えているかというと、広域処理もとにかく進める、と。そして、除染も進めると。それがある意味、別に利権とかって分かりやすい言葉で言うつもりはないけれども、少なくともそこで、権益というのは、明らかに、環境省っていうのは、拡大はしてますよね。
実際、三月の六日だったかな。今、広域処理に関してはすごく、テレビCMとか、ネットとかね、新聞で二面広告とかってやってる。ここ一ヶ月くらいやってますけど、あれ自身が、確か、二、三億くらい使って、電通かなんかがやっているんですね。
で、この前、環境省の募集、公示のやつで出てたのが、とりあえず、除染の事業の広報業務っていうのが、十五億円、で出して、もう一つは、あの今の、広域処理の広報業務っていうので、十五億円、で、今広報業務っていうのをしていて、まあ、合計三十億使って、その、除染と広域処理っていうのに対して、広報をやって、来年一年でやっていくっていうことをやっていて、この十五億ってなんだろうな、って。
screenshot

私は、こういった理由で、今。ネット上で、除染推進や広域処理推進を、つぶやいている、ツイッターの人は「全員」ステマと考えている。
もちろん、本心から、東北の方々の苦しみを共感されて、発言されている人がほとんどだと思うが、国が、
十五億×2
を使って国民をマインドコントロールしているなら、全員
ステマ
と考えざるをえないだろう。
そもそも、なんで、国が「宣伝」「広告」「CM」をするのだろう? だって、それ。国民の税金ですよね。もし、国民になにかを伝えたいのなら、国民一人一人との、ホットラインを作って、そこに、定期的に、メルマガみたいに発信すればいいんじゃないですかね。だって、
十五億×2
ですよ。こんだけあったら、どれだけ、東北の方の支援ができますか。というか、焼却炉が作れますよね。
おそらく、電気料金値上げと原発再稼働も、これに輪をかけた金額を、大手マスコミに、ばらまいて、洗脳してくるのだろう。口のうまいタレントを使って、国民を説得にくるだろう。
しかし、こんだけお金をばらまけば、そりゃあ、みんな口を閉ざしますよね(もう、タブーなんていう神秘主義ですらないですよね。
現ナマ
で、顔をひっぱたかれてるわけですから)。電力会社の、こういった広告宣伝費だって、
311
以降と変わりない額を使うんじゃないでしょうか。だったら、それ以前と、なんにも変わらないだろう。こういった
慣行
に、メスを入れようとしないなら、どうして、なにかが変わることを期待できるだろうか。だって、みんな、この「あぶく銭」で富裕階級の生活ができているんですものね...。