選挙と原発と利益相反

テレ朝の、古館さんの番組を見ていたら、小泉進次郎さんへのインタビューで、なんと、原発政策について、父親が原発再稼動反対していることについて古館さんが、進次郎さんに見識を伺っていたところで、音声不通で、スタジオの声が進次郎さんに届かなくなってたけど、そんなに原発について古館に話されることをテレ朝は怖がっているんですかねw
なんか、今回の選挙を見ていて、国民が原発についての政策で、今回の選挙に投票しようとしなかったんじゃないのかと思うと、非常に残念な印象を受けた。
確かに、自民党だって、できるだけの廃炉を主張しているだけに、多くの国民は、その意味を、できるだけ「好意的」に判断して、「ほとんどが廃炉にされる」と解釈しての行動なのであろう(もちろん、今回の選挙結果は、投票率の低さが示すように、自民党の圧勝というより、組織票による、つまらない結果と考える方が妥当という「まとめ」になるのであろうが)。
そうやって国民は、自民党の「面従腹背」にだまされてきた、と言うこともできるが、それが今回も繰り返される、ということなわけで、それが今回も繰り返されている、と解釈することもできるが、さて。しかしそうは言っても、世論調査を行えば、圧倒的な再稼動反対の状況が今も続いているわけで、その世論をどこまで無視して、どの政治家が再稼動を行おうとするのかは、そんなに簡単な話には思えないとは思っているのだが、どうであろうか。
政治家は果して、原発再稼動のような「決断」をできるのであろうか? というのは、多くの政治家は、さまざまな他に「自分が実現したい」政策を抱えているだけに、あまり再稼動自体に対しての「優先度」を、当分は高くもたない、ということは予想できるのではないだろうか。もちろん、こういった見通し自体が「甘い」ことは分かった上でも、「再稼動を決めた政治家」は、それなりの「責任」を、終生、背負わされることは避けられない。しかも、露骨な原子力ムラの族議員が「自分の責任」と言って、露骨な利益相反を全面に出して、再稼動を行えるのか、とも思うわけで(そもそも、再稼動を行うとは、「電気が足りない」ことを前提に行われていたわけで、どう考えても、今、そういう状況にないわけで)、この問題はさらに、次の選挙、また、さらに次の選挙でも、問われる課題であり、そうしていかなければならない、ということなのかもしれない。
少し選挙と離れるかもしれないが、このブログで何度も見解を述べさせてもらっている、東浩紀さんについて、私は、こと「原発」に関する「利益相反」についての見識を、いい加減、世間の視線としてはっきりさせる必要があるんじゃないのか、と思っている。
例えば、ずいぶん前であるが、彼はツイッターで以下のように述べている。

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10:56 2011/04/27

これが、彼の基本的な姿勢であるわけであろう。つまり、彼はこの時から、原子力ムラのお金をウェルカムだと言い続けてきたわけで、さて。結果として、その後に構想された「福島第一ダークツーリズム」構想は、どうなったのでしょうかね。これを実現するためには、言うまでもなく、まずは、東電からの「協力」を得なければならない。それだけでは済まないであろう。多くの原子力ムラからの協力なしには実現できない。つまり、特異なまでに、彼のビジネス・プランは、原子力ムラとの蜜月関係を想定していることが明らかなわけでしょう。
そして、今回の選挙期間に、彼がツイッターで述べている内容が以下になります。

白票とか棄権とか子供じみてるというのでかなり真剣に検討してみましたが、どうもぼくの場合、もし棄権しないとすれば、小選挙区自民党候補に入れ、比例区社民党に入れることになりそう。自民党社民党も党として応援してないけど、そうなった。
11:04:15 2014/12/10

安倍政権打倒、ファシスト政権阻止とかいうひとことでは切れないくらい、現実はややこしい。安倍政権が問題がある$,1vr流れを変えるために野党に投票とか行っているインテリのひとたちは、生活者の複雑な実感をわかっていないのではないか。(B
11:06:01 2014/12/10

いま僕の生活はゲンロン経営で支えられていて、いろいろ中小企業の生活実感がわかるようになってしまったので、やっぱり学者の先生とは現状認識(自民党政権の評価)で齟齬が出てくる。なまじ学者のほうの実感もわかるだけに、その齟齬は強く感じるな。
11:18:43 2014/12/10

では引き受けます。RT @kdxn やっぱりここは違うのではないか。10年後に「おまえが自民に入れるからこうなったんだろ!」って言葉を引き受けるか引き受けないかの違いというか。もちろん、野党に入れる人も同じ。RT @hazuma: 正直、どちらでも未来の世代に対しては同じように
13:19:01 2014/12/10

他人の投票行動によくこういうこと言えますね。RT @MasahiroKitano: 理屈の上では、御用学者宣言。$,1r|(B@hazuma: では引き受けます。RT @kdxn やっぱりここは違うのではないか。10年後に「おまえが自民に入れるからこうなったんだろ!」って言葉を引き受けるか
22:31:14 2014/12/10

上記の言及を、こと「原発」という視点で解釈させてもらうとき、最後の方が言っているように、どう考えても「御用学者」宣言そのものでしょう。この人は、自分が「福島第一ダークツーリズム」という非常にズブズブの

のビジネスモデルを行っている、という自覚はあるのでしょうか。このビジネスモデルが非常に大きな、この人にとってのビジネスの柱に今ではなっているわけでしょう。だとするなら、どう考えても、そのように解釈されることは、必然なんじゃないでしょうか。自分が何をしているか、分かっているんでしょうかね。
最後の方が言っていることについて、もう一度、ずっと脱原発の運動を続けられてきた、京大の小出裕章さんの2011年の発言を引用しておきましょう。

原子核工学科というところは、もともと原子力をやろうとする、まあ牙城ですよね。ですからそこで、私は原子力をやめさせようとしたわけで、教員たちと毎日のように論争をしました。で、今私が言うのもおかしいけど、大抵、私が勝ちました。そうすると、彼らがなんて言ったかというと、自分には妻もいるし子もいる、と言ったんですね。ようするに、生活があると言ったんですね。私と一緒におながわ原発に反対をしていた人は、もちろん、原子核工学科の中にもかなり当時いました。大学闘争があった時代ですので。え、その中で私のごく親しい友人、私より二つ下の人がいたのですけど、その人がどう言ったかというと、生活を言い訳にするようなことはやりたくない、と。自分は。で、どうしたらいいんだろうか、と考えたあげくに、捨てるものがもうなくなればいいんだ、と言って、つまり、アカデミズムなんかにしがみついてなければいいんだと、言って、その人は、原子核工学科の大学院をやめて、土方になりました。結局、土方というより鳶職になったですが、そうして、捨てるものをなくするということにたったうえで、彼はおながわ原発の反対運動をずっと続けて、今でもその中心メンバーにいます。私は彼がそういう選択をしたとき、私はその選択をとらない、と言った。原子力を進めているとういうアカデミズムの世界が現にあるわけで、そういう世界の中で原子力に反対する人は必要だと思うと。だから、私はこの場に残る。その代わり、生活を言い訳には絶対にしないことを彼に約束をして私はこの場に残っている、と。そういう経過です。
VIDEO NEWS » [5金スペシャル]原子力のこれまでとこれからを問う

ようするに、いろいろと難しいことを言っているが、他人から見れば、たんなる「利益相反」としか見られていない、というわけでしょう。まさに、これこそが3・11直後においては、だれもにおいて、認識されていた「御用学者」問題だったわけで、それにたいする上記の反応と、上で引用した、2011年当時の小出さんの発言を比較してもらえば、いかに、3・11からの歳月の経過が、

  • 緊張感

を人々からなくしていったのか、ということが分かるのではないでしょうかw