安倍首相vsイスラム国

とうとう、安倍総理がガチンコの対決を日本国民に対して挑んできた。安倍を中心とした、日本の保守革命を確信犯的に実現しようとしている勢力は、ひとまず、その概要を日本会議に代表させることができるであろう。
彼らが目指していることの一里塚として、日本の再軍備化があり、現在の安保法制がそういった意図において進められていることが分かる。
大事なポイントは、今は、与党が過半数であるため、

  • どんな法律も通る

ということである。今の与党・自民党を以前の、党内にさまざまな勢力を抱えていた「健全な与党」と考えてはいけない。小選挙区になり、自民党内にいたリベラル勢力が民主党に鞍替えしていった結果、今の自民党員は、全員、自民党のお金に選挙資金を依存している、自民党党首の

にすぎない。彼らは自分の選挙資金の首ねっこを、自民党の首脳部に抑えられているので、全ての自民党の政策にノーと言えない。
この状況は、オウム真理教における麻原尊師を思い出させる。オウムが、入信の条件として、全信者に、すべての

  • 財産の寄進

を必須とする。つまり、オウムの信者は、オウムに入信したと同時に、一切のお金を麻原尊師に依存する、というわけである。
今の自民党員もまったく同じだと言えるであろう。これだけ、安保法制が憲法違反だと言われていても、だれも安倍首相に諫言しようとしない。彼らは安倍首相の劣化コピーであり、安倍首相の口パクしかできない(安倍首相がサリンをまけと言えば、地下鉄にサリンをまく連中だと言ってもいい)。
安倍首相がやりたいのは、アメリカなどどうでもいい。安倍首相は自衛隊を軍隊にまで格上げして、「普通の国」になることだと言えるであろう。それこそ、「戦後レジームからの脱却」なのであって、普通の国が国連で認められた、個別的自衛権集団的自衛権を行使可能な国に日本をする。このことは、つまりは、憲法第九条の空文化であると言える。一見すると、今の新三条項は、相当に難しい条件が揃わなければ、日本の集団的自衛権の行使は不可能であるかのように思われるが、結局のところは、時の政権が

  • 判断する

としか言ってないのだから、事実上なんの条件もなくなったと言っているのと変わらないのである。よって、憲法第九条はなにも意味しない、文字の羅列でしかなくなった、というわけである。
WW2以降、そもそも、「侵略戦争」は集団的自衛権の名目で行われるようになった。実際、今回の法改正で、アメリカへのイエスマン度の問題という整理が多い印象を受けるが、そうではない。今回の法改正の本質は、

が可能になった、という一点にあるわけである。つまり、実質これによって、日本は戦後始めて、「侵略戦争」ができるようになったわけである。日本がどうやって、侵略戦争をするのか。それは、一見すると

という大義名分によって、軍を海外に動かします。この場合、別に、アメリカは日本に来てほしいなんて一言も言っていません。しかし、日本は「あなたのためだから」と言って、軍を派兵して、独立国を占領して、その国の自治権を奪います。
この場合、大事なことは、日本は「勝手」に行動し、アメリカはそうしてほしいなんて一言も言っていないが、日本は

という体裁をとりつくろう、ということです。
多くの人は、まさか徴兵制なんて行われないだろう、と思っているわけですが、徴兵制が行われるか行われないかは、たんに、自衛隊員の数が十分な基準に到達しているかしていないかで決定するに過ぎません。政府は人が足りないと判断したなら、徴兵制を

  • やらなければならない

わけです。なぜなら、そうでなければ戦力を維持できないのですから。
そして、ここで大事なことは、安倍首相たちがもしも徴兵制を行ったなら、彼らが集める兵隊は、さんざん自分に逆らってきた文系学者たちだということです。安倍首相がやりたいことは、絶対許さないリストの連中を戦場に送りこんで、真っ先に殺すことです。徴兵制で、彼は自分が嫌いな左翼連中を、戦場の最前線に送って、真っ先に殺すわけです。
ここで、今回の法律が通った後に待ちかまえている最悪のシナリオを私なりに考えてみたい。
おそらく、伊勢崎さんも言っていたように、日中で戦争になることはないと思われる(少なくとも、中国側からのアクションによっては)。なぜなら、中国は国連の常任理事国なのだから、五大国として、圧倒的な「権利」である、拒否権をもっているという最高レベルの

  • 特権

をもっているわけだから、なんでそれに逆らわなければならないのかが分からないわけである。
恐らく、私が一番考えられるものは、イスラム国とのガチンコの殺し合いではないか、と思っている。安倍首相はこの前の人質のときにも、二人の日本人を見殺しにしたが、今度は、徴兵制で次々と彼が絶対許さないリストに載せている、リベラル学者、リベラルジャナリストを、次々と徴兵制でかき集めて、鉄砲玉として、イスラム国戦争の最前線にひっぱり上げる。
安倍首相がやりたいことは、自分が嫌いなリベラル勢力を、イスラム国の「エサ」として与えて、自分の嫌いな連中を、一緒に一網打尽にする。一石二鳥で、かたしてしまう、というわけである。
安倍首相にとって、イスラム国とのガチンコの日本人は、そもそも、彼の嫌いなリベラルたちであり、こういった連中という彼の嫌いな人たちを特別に選んで、軍隊に使える最後のチャンスだと思っているであろう。
安倍首相は、イスラム国に挑発をされればされるほど、徴兵された国民た何人死のうが、イスラム国との最終戦争を宣言して、彼らの反撃の前に、彼が徴兵した日本人を、つれてくるであろう。
こうしてエンドレスに、徴兵された日本人が死ぬ「日常」へと推移していく。毎日、何百人という徴兵された日本人が死に、そのことに誰もなにも感じなくなる。安倍首相は、今のアメリカ兵がイスラム国とのガチンコの殺し合いをして、何人も死んでいるように、徴兵された日本人も、当たり前のように、イスラム国に殺されるようになる。こうして、毎日毎日、徴兵された日本人が死ねば死ぬほど、安倍首相は、より戦争をエスカレートさせるようになる。
まさに、徴兵される日本人とは、安倍首相の「おもちゃ」として、イスラム国に人身御供で捧げられるようになる。安倍首相は、徴兵された日本人がイスラム国に殺されれば殺されるほど、彼の「やる気」を盛り上げてくれるようになり、この地獄のようなガチンコの戦いから逃れられなくなる、というわけである...。