間に合わないと言う人たち

私は時間がないと言う人が嫌いだ。というのは、意味が分からないからだ。
私が疑問に思うようになったのは、例えば、日頃はリバタリアンを気取っていながら、他方で原発推進だったり、国立競技場でザハ案での建設に賛成だったりする。つまり、お前は矛盾していないか、と思うわけである。リバタリアンなら、最低限の政府機能以外の国家をもつことは、

  • さまざまな問題を引き起こす

のだから、NGではないのか。原発が必要かどうかや、競技場を立てるかどうかなんて、市場に任せればいいはずのことであり、そうしていれば、普通に考えて、原発なんて建設されるわけがなかったわけだし、なぜ国立の競技場がいるのか、なぜ国が主導してオリンピックをやらなければいけないのかも疑問である。
国家が行うべきことは、国民の不平等に対応するための、子ども手当だったり、高校授業料無料化だったり、生活保護であったりといった、一人一人の「人権」の保護なのであって、そういった「ハコモノ」にどうしてリバタリアンがお金を使えるのかが疑問なわけである。
同じようなことは、今回の安保法制にも感じる。安倍政権は、今回の法改正を解釈改憲で行うと言っているわけだが、憲法学者の9割をはるかに超えて(というか、賛成している3人は、日本会議だという)、世論調査をしても、ほとんどの国民が、今回の法改正に反対であり、説明不足だと言っている。
私などは、この時点で、そもそも法改正なんてありえない、と考える。
なぜなら、つまり、まったく「民意」を獲得していると言えるような、エビデンスが少しもでてきていないからだ。こういう場合、普通は、

  • より細かく国民に説明することで、法改正の支持率を上げていこうとする

とならなければ、それは民主主義国家ではないと思うからだ。とにかく重要なのは「民意」である。国民の圧倒的多数の賛成なしに、なにかを行おうとしようとすること自体が私には意味が分からないのだ。
早い話が、今回の解釈改憲だとか法改正は、「憲法違反」の懸念が、多くの有識者や多くの国民からだされている。この状態で、「そんなことないです」とパターナリズム的に言っても、国民の圧倒的多数が疑わしいと言っていることには変わらない。こんな状態で、解釈改憲や法改正を行えない。なぜなら、それでは「民意」と言えないからだ。
もしそれでも、与党がこの解釈改憲や法改正を「正統」なものにしたければ、簡単な話で、

をして、国民の圧倒的多数の支持を得ることで、普通に「正統性」を獲得すればいいわけである。ところが、安倍首相たちは「それでは、アメリカ議会で約束した」、今年の夏までに法改正する、という期限に間に合わない、と言うわけである。
この論理はまったく、国立競技場が「オリンピックに間に合わない」とか「ラグビーW杯に間に合わない」と言っているのと同型であることが分かるであろう。
さて。間に合わなかったから、なんだというのでしょう? それが、国民になんの関係があるのでしょうか。そもそも、国民はこの期日の設定を、いつ、だれから相談を受けたと言うのでしょうか。勝手に、政府が約束して、勝手に自分でテンパっているだけではないでしょうか?
よく考えてください。期日に間に合わないから、なんだというのでしょうか? 遅れたから、なんだというのでしょうか? なにもないわけです。国立競技場なんて、国民がその税金を使うことに「賛成」しない限り、それが「民意」にならない限り、一円たりとも、工事にお金を使ってはならないに決まってませんでしょうか。全部、税金なんですよ。この工事にお金を使われた分だけ、私たちの福祉に使われるはずだったお金がなくなるわけです。文系の学部が、その分潰されるわけです。いいんですか?
大事なことはなんでしょうか?
それが「民意」であることです。民意でないことを、国家はやってはいけないのです。させてはいけないのです。
むしろ、ここまで解釈改憲や法改正で済ませようとしていることには、安倍政権が憲法改正国民投票をして、

  • 否決

されることを恐れていることが伺われるわけです。なぜなら、もしもそんなことになれば、それが「民意」として画定してしまって。、集団的自衛権の行使をやらないことの「正統性」がより強化されるからです。
安倍政権は、これを恐れています。つまり、安倍政権は国民の民意に反することを行うことをむしろ「欲望」している。彼らは、国民の意思に反して、国民を「強制」することで、国民を「自分たちの意のまま」に操ろうとしている。安倍政権は少しも、

  • 民意

に従おうという意思がない。民意なんて無視して、「自分たちが国民に強制させたいことをさせる」という考えしかない。
だとするなら、今、与党を除く、全国民は、何をする必要があるでしょうか?
まず、これからの国政選挙に向けて、与党議員を除く全国民は一丸となって、この「緊急事態」において、非常事態的野党連合を結成して、選挙に勝ち続ける必要があることが分かるのではないでしょうか。
今は、与党が国会内の数の論理で、

  • 民意

に反した政治行動をとろうとしています。これを止めさせるためには、与党以外の国民全員の「結束」によって、自民党が国民の民意に反する行動をやることを止めようとしない限り、彼らを日本の政治の舞台から追い出して、排除する必要があります。そして、彼らが

  • 反省し、民意を尊重する行動を行うことを誓うまで

彼らを政治の舞台から排除する必要があるわけです。そのためには、野党は分裂していることはできません。一点、自民党の暴走を阻止することの一点において、野党連合を結成する必要があります。自民党が、民意を尊重する集団として、私たちが「安心」して見れるようになるまで、彼らを

  • 無条件降伏

させて、野党連合による「GHQ」による暫定支配を行う必要があるわけです。これは言うまでもなく、一時的な措置です。そもそも、各野党同士で、政策の差異があることは前提です。しかし、与党が民意に反する暴走を繰り返している限りは、この異常事態に対して、国家の機能を担保するために、野党は緊急避難的に、大同団結をすることを国民に求められているわけです。一刻も早く、このような野党連合を結成して、自民党によって実行された、

  • 反民意法

を次々と廃案にしなければなりません。この「暫定政権」を成立させることが、今の政治状況において、最も求められている「国民の民意」であることが分かるのではないでしょうか...。