井出英策『18歳からの格差論』

あのさ。この前のNHKの「貧困女子高生」問題だけどさ。NHKのニュースの番組に出演した女子高生が高価なイラスト用のペンをもっていたとかさ。それで、NHKの捏造だとかなんとか。
NHK貧困報道”炎上” 改めて考える貧困と格差(湯浅誠) - 個人 - Yahoo!ニュース
この議論を見て私は思いましたね。
だったら、ここで「捏造」だと訴えた、この日本国民

  • 全員

に「生活保護」を配りましょうよw それがいいや、そうしよう。だって、それしかねーじゃねーか。HNKで「貧困」を訴えている女子高生が「高価なペン」をもっていたら、お前は「怒る」んだろ? 貧困のくせに、そんなのもっているのが許せないんだろ? だったら、日本中の人々、全員にその高価なペンをプレゼントしようよ。そうすりゃ、その女子高生がそのペンをもっていても怒らないんだろ。だって、みんながもっているんだから。そうしよう。
あのさ。
ばかばかしい、と思わないか? 彼女は「貧困」じゃないとか言った「お前」にも、<生活保護>をやるから、それで、1000円以上の弁当を食べろよ。それで、好きな映画を6回見ろよ。7800円のコンサートに行けよ。やるから。いいよな。お前もやりたいんだろ。じゃあ、それやるから、やれよ。
今、日本で何が起きているのか? あのさ。貧しい人たちが、生活保護をもらってくれないのよ。それもこれも、こういった「ずるしている」とか言いたがる連中が、そこら中から湧いてきて、そういう人たちが「遠慮」してんのよ。お前らが、ネチネチネチネチ、いつまでも言うから、じゃあ、しょうがないでしょ。もらってくれないんだったら、日本中の全員が「もらう」しかないんじゃないの? お金がないからと一人だけにもらわせたら、

  • 日本人という

こういうゴミみたいな連中がそういう人をボロクソに言うんだろ、そりゃあ、そういう人も自分を「恥」だと思ってしまうでしょう。だったら、しょうがないでしょう。みんなに「同じ金額」を配りましょうよ。

僕はシングルマザーでした。ですが、身体に障がいがあって年金をもらっていた叔父や、生涯独身を貫いて働いてくれた叔母の助けもあって、何不自由なく大きくなることができました。
僕が小学校3年生の時のできごとです。生活保護の存在を知った僕は、「これか!」と思いました。いつも母がそばにいるのに僕の家にはお金があったからです。僕は、母に「生活保護をもらっているの?」と何気なく聞いてみました。
するとどうでしょう。母は真っ赤にして怒りました。「そんなものをもらったら、あなたが恥ずかしい思いをするでしょう!」。そう僕をしかりつけたのです。

ようするにさ。日本中で生活保護をもらってほしい人がもらってくれないのよ。だから、日本は貧しい国になっちゃったのよ。それもこれも、だれのせい? そりゃあ、生活保護をもらう人を

  • 怒る

人がいるからでしょう。だったら、しょうがないじゃない。日本人が日本人を「怒る」わけよ。同じ民族同士なのにね。悲しいね。でもさ。しょうがないじゃない。怒る人がいるんだから。その人が怒らないようにするしかないじゃない。だって、そうしないと、困っている人がもらってくれないんだから。つまりは、全員に同じ額を配るしかないよね。そんなことをしたら、国の財政が破綻するって? なに言ってんの。お前が怒るんだから、財政が破綻しようがなにしようが、しょうがないことはしょうがない。なんでお前がそんなことを心配すんのよ? 自分が何を言ってんのか分かってんの? だったら、最初から怒んじゃねーよ。

みなさんは財政を大きくすれば借金が増えると思っているかもしれません。でも、実際には、日本やアメリカのように、小さな政府で借金の大きい国もありますし、北欧のように、大きな政府で借金の少ない国もあります。
「支出の増大=財政破たん」という考え方は一種の神話なのです。
この神話は、どんなふうに支出するかによって、中間層の税への抵抗感を強めたり、弱めたりするという当たり前の事実を見のがすことから生まれます。

まあ。普通に考えてそうだよね。今の日本は、ある意味において、国民の半分近くは、相対的貧困層と言ってもいい情況なわけでしょう。だったら、国民全員に「生活保護」を配れば、彼らはお金を使いますよねw 高価なイラスト用のペンを買ってくれるんでしょ? だって、ほしいもんね。1000円以上の弁当を食べてくれるんでしょ? 食べたいもんね。好きな映画を6回も見てくれるんでしょ? そりゃ見たいもんね。7800円のコンサートに行ってくれるんでしょ? そりゃ、行きたいもんね。
よかったじゃん。国民がお金を使ってくれて。
あのさ。今の日本で、どんだけの企業が国民がお金を使ってくれなくて困っていると思ってんの。よかったじゃん。こうやって、企業にもお金が回ってさ。
まあ、この辺りが、今月の雑誌「世界」の、民進党の前原さんの対談相手になっている人の主張だよ。確かに今回、前原さんが民進党の党首になる勢いはないかもしれないが、少なくとも彼がどういった考えで、今回の党首選に望もうとしているのかは、この対談を読んで理解することが日本の未来を、自民党とは違ったものとして実現したいと思っている野党共闘支持者は把握しておく必要があると思いますけどね...。

18歳からの格差論

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