この曲は、言うまでもなく、何年か前のNHKの「みんなの歌」で、中川晃教という、どっちかというとミュージカル系の人なのですかね、この人が歌った歌ということで、有名なわけですが。その、NHKの「みんなの歌」のバックで流れたアニメーションの印象もあって。少し話題になったわけだが。
ちなみに、この歌の作詞作曲は、神崎まきという人らしくて、私より上の世代の人ということのようで、なんというか、こういった上の世代の人には、まあ、フォークソングからの流れというか、こういった、少し男性の「ナルシシズム」を歌ったような曲を書く人が多かったような印象があるが、ある時期から、そういった
- アイドル路線
のような、男性のシンガーソングライターは減少していった、という印象がある。それは、この曲も同様で、聞き様によっては、なにか「ストーカー」礼賛の歌詞の内容に受け取られかねない印象もあるわけで、というのは、つまりは、私より少し上の世代の男性の「愛の歌」には、こういった傾向性のものが多かった、という印象があるわけである。
じゃあ、そういったものがなぜ減少していったのか、ということになるけれど、まあ、時代の「変化」と言うと身も蓋もない感じになりますが、会社ではパワハラと言われ、そもそも、この世界のどこにも「恋愛」などなくなったのだな、といった印象なのだろう。
もう人は人と出会わなくなった。
社会はシステムとルールによって構成され、完成され、なにも「驚き」はなくなり、つまりは、恋も愛もなくなり、あるのは、どいつがどれだけ資産をもっているかの「資本主義」だけになり、それが今の成れの果て、というわけである。
"Forgive me, Please" あなたを恋するあまり
"Forgive me, Please" 深くあなたを傷つけた
しかし、逆に言えば、こういった、まあ、男性の歌というのは、歌唱力のある、自らの個性的な歌声に、一定の自負をもった、プライドをもった、女性の歌い手さんなら、まあ歌いたいと思うんじゃないか、とは思うんですよね。
というのは、この歌は確かに、男性のどこか「ナルシシズム」の歌ではあるんだけれども、どこまでも、
- 個人的
な歌なんですよね。
ぼくだってたったひとつだけど
ぼくだって出来る事があるよ
この歌詞の最後の方で出てくるフレーズだけど、結局のところ、この「出来る事」がなにを言っているのかは、いまいっぽ分かりにくいんだけれど、一つだけ分かることは、この主人公の男性が、この女性への「個人的」な「内省」が感じられる、ということなんですよね。
つまり、これは「恋の歌」なのだけれど、こういった、なんと言ったらいいのか分からないけれど、「純粋」な想いといったようなものが、近年のPC社会、SNS社会では、あまり表に出にくくなっていっている、ということなのかもしれない。それは、今の時代、なにか「個人的」なことを「表現」するということが難しくなっている、ということなのかもしれない...。
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