西日本豪雨

今回の西日本豪雨は、気象庁が5日には記者会見を行っているわけで、私はこの事態が尋常ならざることを以下のツイッターで知った。

数十年に一度のこれまでに経験したことの無い重大な災害が起こる危険が差し迫っているとのこと。直ちに身を守る行動をとってください。宮崎 好彰 on Twitter: "数十年に一度のこれまでに経験したことの無い重大な災害が起こる危険が差し迫っているとのこと。
直ちに身を守る行動をとってください。… "

@ysakmyzk 2018/07/06 01:19

このリツイートを知っていただけに、それ以降の政府であり、安倍首相自身の行動は不可解であった。ここで、

  • これまでに経験したことの無い重大な災害

が指摘されていながら、そして実際に現在において、200人近い死者がでている現状を考えても、あまりにもの政府の

  • 不感症

ぶりが、一体なんなのか、なにが原因なのか、と有識者に問うてみたくなるような、反応の遅さであった。
まあ、普通に考えれば、5日の安倍首相も参加した、自民党の「飲み会」が、さかんにそのときの飲み会の風景の集合写真が報道されているが、あの中に、法務大臣を中心にして、みんなでサムアップをしている写真がある。つまり、この飲み会が

  • オウム死刑

  • 祝う

ものであったことは、この写真からよく分かるであろう。これは、彼らにとっての「勝利宣言」を意味していて、だからこそ、どんな悲惨な災害が今起きていようが、この宴会を盛り上げなければならなかった。しかし、そのために安倍首相自身は、完全に二日酔いの状態で、災害の記者会見を行わざるをえなくなり、6日早々には、仕事にならず、自宅に帰っている。
もちろん、今回の被害がここまで甚大になったことには、すでに報道されているように、さまざまな原因があるのであろう。そして、今回の被害地の多くが

で問題視されていた土地だった、ということもあるのであろう。

----土砂災害警戒区域指定やハザードマップといった対策は十分だったのでしょうか。
土砂災害防止法では、土石流やがけ崩れなどの危険のある場所を「警戒区域」に、特に危険の大きいところを「特別警戒区域」に指定します。まず、都道府県が危険のある場所を調査して被害の及ぶ範囲を推定し特定。その上で市町村長に意見を聴いて、住民に説明をした上で区域を指定します。
しかし、いったん指定されてしまうと「特別警戒区域」では宅地開発などが規制される他、「警戒区域」でも「地価が下がる」などとして、指定に反対する住民も少なくありません。そうした声を受けた市町村長の了解が得られず県などが指定をためらってしまうケースが多いのです。
https://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E8%A5%BF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%B1%AA%E9%9B%A8%E3%81%AE%E6%95%99%E8%A8%93%E3%80%8C%E9%81%A0%E3%81%8F%E3%81%AE%E9%81%BF%E9%9B%A3%E6%89%80%E3%82%88%E3%82%8A%E8%BF%91%E3%81%8F%E3%81%AE3%E9%9A%8E%E5%BB%BA%E3%81%A6%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%AB%E9%80%83%E3%81%92%E3%82%8D%E3%80%8D/ar-AAzSP7H

結局、日本は災害国家であるにも関わらず、多くの人にとっては、それは

  • 自分の土地

であることを意味しており、つまり、「私的所有権」に関係してしか、それらを考えられないため、一切のハザード・マップ情報が

  • タブー

となってしまう、という構造的な問題を避けて通れない。それは、熊本地震の時にも起きていたわけで、自分は危ない土地に家を建てて暮らしている。そうであるということは、この土地であり、この家は自分の

  • 資産

なのだから、なんとかして自分が売り抜くときは、「高値」で売り抜けなければならない。そうである限り、むしろ、

  • 自ら

すらを「騙し」て、世の中に対して振る舞わなければならない。この構造は、福島第一における低線量被曝の危険性を訴える人たちを

  • デマ

と非難し続けた、

  • イデオローグ

達とまったく同じように振る舞わなければ、自らの「日常」の「合理性」を保てないわけである。
しかし、3・11のときも思ったわけだが、例えば、巨大ダムや巨大堤防を作れば、本当に「豪雨」や「津波」から逃れられるのだろうか? これは一見、合理的なように思われる。しかし、言うまでもなく、そういったダムや堤防には必ず、

  • 限界

がある。そして、年月を重ねるごとに、土砂の集積などによって、それらの機能の「弱体化」も起きる。ようするに、こういった天災を、人間の科学の力で

  • 避けられる

と考えることの方が「傲慢」なんじゃないだろうか?
実際に、江戸時代から昭和の初期にかけて、多くの日本の農家では、

  • 小舟

をもっていて、洪水で田圃や村が水びたしになったら、その小舟に乗って、水が落ち着くまでしのいでいた、というのである:

「行かな」。夜が明けると車に積んでいた釣り用のゴムボートに空気を入れ、午前8時に車で自宅近くの土手へ。だがそこでは、一変した街の光景が広がっていた。「まさかこんなことに......」
雨が降り続く中、ボートで必死に300メートル先の自宅を目指した。裕美子さんは一足先に市のボートに助けられていたが、周囲を見渡すと、大勢の人が取り残されていた。
ベランダで胸まで水につかったおじいさん、屋根の上でタオルを振る知人、小さな子どもの姿も。「屋根まで上って待っとって! またすぐ来る」と声をかけ、順番にボートに乗せ始めた。定員3人。片道10分以上かかる土手までの道のりを何度も往復しながら、動画をSNSに投稿し、知人に応援を求めた。
助けに行かな 救命4時間、倒れるまでボートこいだ青年:朝日新聞デジタル

そもそも、川は「洪水」をすることで、上流の肥沃な土砂を、田畑や田圃にもたらすことで、土地の枯れることを防いできたわけで、人間の農業を成立させるための、エコロジカルなシステムとして解釈されてきた。ようするに、「洪水」が起き、田圃や村々が水没することは、太古の昔から、この日本においては

  • 普通の出来事

だったわけで、だれもそれが起きたからといって、

  • 想定外

といったような、寝惚けたことを言ってなかったわけであるw(もちろん、その他にも、近年の杉林の移植によって、洪水被害が甚大になりやすくなっていたり、上流のダムが、住民への注意喚起をろくに行うことなく、「放流」をしていた、という状況証拠もあるわけで、多くの問題を直視しなければならない、ことには変わらないわけだが)。
私のような人間には、IT系の機器を、どうやって水害から守るのか、といったことが気になるわけだが、特に、

  • ハードディスク

の破損の防止を、多くの家庭でも考えるべきなんじゃないだろうか(そこに、多くの「スキャン文書」を、紙媒体での保存をあきらめて、電子情報として管理している人も多いだろうから)。
その上で、なによりも自らの

  • 身体

をどうやって、この水害で生き延びさせるのか、という最後の課題が待っているわけであるが:

また、私はよく「遠くの避難所に逃げるくらいなら、近くの3階建て以上に逃げろ」と言っています。過去の水害を見ても、3階以上であればそこまで大きな被害に遭っていません。避難所に逃げている間に被害に巻き込まれてしまうよりも安全です。
https://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E8%A5%BF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%B1%AA%E9%9B%A8%E3%81%AE%E6%95%99%E8%A8%93%E3%80%8C%E9%81%A0%E3%81%8F%E3%81%AE%E9%81%BF%E9%9B%A3%E6%89%80%E3%82%88%E3%82%8A%E8%BF%91%E3%81%8F%E3%81%AE3%E9%9A%8E%E5%BB%BA%E3%81%A6%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%AB%E9%80%83%E3%81%92%E3%82%8D%E3%80%8D/ar-AAzSP7H

国家は、なんでこの程度の

  • 投資

すら、やろうとしないんだろうねw 今回の豪雨での死者のうち、多くが60歳以上のお年寄りだったというわけで、このことも、3・11の教訓が生かされていないんだな、とどうしても残念に感じられてならないわけである...。

追記(2018/07/20):
まったく、この災害対応が終わったわけではないわけだが、いろいろ報道が出ているので、とりあえず、追記しておく:

西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備(まび)町で、多くの住民が取り残される中、「どげんかしたらないかん」と、水上バイクで約15時間にわたり、約120人を救助した町出身の若者がいる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180719-00000010-asahi-soci

なるほどね。水上バイクは有効だっただろうね。水害系のハザードマップ地域には、水上バイクの乗車訓練と、地域に数台は欲しい、ということですかね。