中国語の7割が「日本語」の意味

柄谷行人に「日本精神分析」という本があるが、そこで書かれていたのは、日本語におけるカタカナの効用だった。つまり、日本語は、「外部」が、カタカナという形で、共存させることができる言語なんだ、といった話で、つまり、外部が内部に包摂される、といったことが言いたいようであった。
しかし、考えてみると、これは変だ。例えば、中国語でも、ハングルでも、その「読み」を、発音記号で記載することは、今でも、一般的に行われる。それは、英語でも、フランス語でもそうなわけで、別に、表現できないわけではない。
つまり、なぜか柄谷は、日本語における、

  • 漢字の合成語

の問題に一切、興味をもたなかったことが、違和感としてあるわけである。
有名な話で、中国語の7割は「日本語」だ、と言われる。それが、「合成語」で、そもそも、中国語で、合成語は一般的ではなかった。この合成語がしばしば行われたのは、諸子百家の時代の哲学者や仏教の翻訳においてであって、それ以降の歴史において、むしろ、合成語は、ほとんど使われていなかったと言ってもいいくらいだった。
なぜそうなのかを考えてみると、そもそも、合成語は、当たり前だが、ある「文法」を内在している。述語と目的語といったように、その構成自体が意味がある文法表現である。そうであるなら、それそのものとして解釈する方が自然だ、ということになる。
つまり、中国語においては、合成語はもともとの文法からして、かなり無理がある使い方だ、といった印象がどうしても逃れられない。
では、そんな合成語が、なぜ日本の幕末において、西洋の概念の翻訳において、活発に使われたのか? それは、もともと日本語の側では、「合成語」の方が自然だったから、といったふうには言えるのではないか。もともと、日本人は中国語の文章を読むときも、その文法を知らないわけで、一つの概念として、その漢字の連なりを把握することは、自然だったと思われる。
これは、

  • 専門用語

が日本においては、日本語で記述される、ということを意味する。韓国などでは、大学の授業で、自国語で行うことができないことが往々にしてある。それは、ハングルで、そういった欧米の専門的な学問の、専門用語を表現する方法が確立していないからだ。よって、授業が英語で行われたり、ということがある。
対して、日本においては、当然だが、どんな授業も日本語で行う。それは、そういった欧米で生まれた学問の専門用語を翻訳する、日本語が確立されているから、と言うことができる。
そして、中国は、明治時代に多くの留学生が日本に来て、日本の「合成語」を、中国に輸入した。そうすることで、中国は今でも、自国の大学の授業を、自国語で行うことができている。しかし、そこで使われている多くの用語が、

  • 日本由来の合成語

で表現されていることを、「自国語」と本当に言っていいのか、という問題はあるが。
そして、実は、この「構造」は今も続いている、と言っていいだろう。中国は、つい最近まで、資本主義で遅れていたが、急速に科学テクノロジーが発展した。その時、多くの中国人は日本を真似した。日本の研究をして、日本をパクれば、日本と同じことをすれば、

  • 儲かる

ということが分かっていた。そういう意味で、日本はどんどん、技術を盗まれたわけだが、そこでの「盗品」は、日本語と共に、もたらされたわけだ。つまり、それは「日本語」で書かれていた。そして、その日本語は、今では、中国でも同じ漢字で、同じ概念を示すことになる。
今もずっと、中国は、日本にあるもので、なにかパクれるものはないかと、てぐすねをひいて待っている。なにか、お金になるものはないか、と。。
その代表的な例が、スマホゲームであるだろう。原神が代表的だが、豊富で安価な労働力を使って、安く高品質なサービスを作ってきているが、こんなの全部、日本の

  • パクり

なわけだw 彼らは、そこに自尊心はない。お金になれば、なんでもいいわけで、日本の真似だろうが、日本人からお金をまきあげられさえすれば、どんな手段でも使う、というわけだ。
こうして、今もずっと、中国は日本を見ている。日本の、なんでもいいから、

  • お金になるもの

を見つけて、それをパクり、世界に売ることが、なによりも一番、てっとりばやいからだ。しかし、なぜそれが可能になっているのか、を考えてみると、そもそも

  • 中国語の7割が日本語

という実態が、よくそれを示しているわけだ。だから、中国は、いくらでも、日本の「イノベーション」をパクれる、という関係になっている。なぜなら、中国語が、ほとんど日本語なのだから、日本の「イノベーション」は、中国語で書かれているのと変わらないのだから、もはや、そこになんの、それを理解するための技術的なハードルもないし、当たり前のように理解するからだ...。