今年の冬の新型コロナ

今のところ、東京の新型コロナの流行は再開していない。これをどう考えるのか、なのだろう。
この問題を考える上で、なぜ夏の流行はおさまったのかの総括を避けては通れないわけだ。
その上で、一つの仮説として今では、尾身さんとかの、国のグループも言及を始めた、エラーカタストロフの話がある。
しかし、この仮説には、さまざまな批判もある。一般的にこういった現象があることは説明できたとしても、今回の現象を説明するのに、そのメカニズムがそこまで解明されているわけではない、というところがある。そういう意味で、言おうと思えば、いくらでも、その説明の穴を突けてしまう、というのはあるのだろう。
(もちろん、こういった批判をしている人の中には、利益相反のあやしい人も多い。ワクチンの効果を強調したい人は、それ以外の説明を嫌う傾向があるのは言うまでもない。)
そう考えると、通常行われているものとして、

  • ワクチンの、特に若い人への普及のスピード
  • ワクチンをした後も、多くの人が、マスクなどの対策を「変わらず」続けている

の二つが指摘されている。
しかし、ここで少し見方を変えてみたいわけである。つまり、

である。この時期、日本は恐しいまでの、感染の拡大を経験した。そこで、多く語られたように、この感染の拡大と、オリンピックには、なんらかの

  • 因果関係

があるのかが問われたわけである。オリンピック推進派は、その「証拠はない」と言って、オリンピックを続行することを正当化した。しかし、普通に考えて、なんの因果関係もないと考える人は、どうかしているだろう。そもそも、オリンピックだけ、オリンピックの選手だけは、マスクもしないで、キャッキャウフフがやれて、他の日本中のスポーツ事業が「停止」されていたことが

  • 差別

であるわけで、本来なら、この「差別」があってはならなかったわけであろう。つまり、

  • オリンピックを認めたのだから、国内の全てのスポーツ事業も認めなければならなかった
  • オリンピックも、他のスポーツ事業と同じように、やってはいけなかった

の、どっちかでなければならなかった(法の下の平等を考えるなら)。しかし、あの感染状況を考えれば、前者はありえなかったわけだろうw つまり、オリンピック推進派は、自らが、なんらかの

  • 差別主義者

であることを甘受することなしでは立てない立場だった、ということになるw
次に、そもそも、オリンピックが、たんなるスポーツ事業ではない、というところに特徴がある。つまり、「世界大会」のため、

  • 世界中

から選手や関係者が集まる、という特徴を忘れてはいけない。世界中から、ということは当たり前だけど、

  • 感染が拡大している国

からも、何十人も入ってくる、ということを意味する。しかも、入国時の、隔離措置は、オリンピック関係者に対しては、ほぼ

  • ザル

であったことは今では分かっている。当たり前だが、選手にベストのパフォーナンスをしてもらおいと思ったなら、ホテルでの隔離なんて、できるわけがない。隔離されたがゆえに、調子を崩す選手が続出するだけだろうw
しかし、である。感染防止の基本は、「(日常の行動範囲を超えた)人の移動の禁止」にある。だから、日本での風邪が、4月、8月、12月、1月にはやるのであって、それぞれ、入学式・入社式、お盆、大晦日・正月、と対応しているわけである。それぞれ、

  • 都道府県の県境を超えて

行動することと、こういった風邪の流行は深く結びついている。オリンピックも同じだ。県境が

  • 国境

に変わっただけで、ほとんどこの期間においては、

  • 絶えず、海外から、新しい変異株が流入し続けていた

と考えられるだろう。だから、ずっと流行がおさまらなかったし、どんどん拡大した。
ところが、オリンピックが終わったら、急に、感染の流行はおさまってしまった。
なるほど、と思うわけである。ちょうど、衆議院議員選挙の時期に、完全な収束を達成したわけだが、あまりにも「ちょうどいい」と思わなくはないわけである。菅元首相は、これを「自分の成果」として、選挙で訴えていたが、見事彼は再選したし、概ね、自民党は今回の選挙は悪くなかった。
もしも、菅元主相が「これを狙って」いたとするなら、彼の誤算は、自らが首相を辞めさせられたことだけ、ということになるだろうw
しかし、このことを逆に考えてもらいたい。
もしも、今回の夏の問題が、オリンピックだったとするなら、オリンピックの終わった今、やっと日本は「平和」になった、と言えないだろうか。もともと、みんながマスクをしているこの国で、オリンピックという悪夢が終わって、政治的なリスクがなくなったのだ。そう考えると、

  • 今年の冬

は、もしかしたら、ほとんど無風に近いまでに、新型コロナの流行が起きないまま、比較的に普通に、大晦日とお正月を過ごす、なんてことにならないだろうか?
私は、この可能性は、それなりにあると思っている。もっと言えば、今年の夏だって、

と考えているからである。つまり、

  • 検疫

である。空港や港での、検疫や、そもそもの、海外からの人の「人数の制限」さえ、ちゃんと行っていれば、おそらく、日本での流行は制限できる。ここには、去年まで言われていた、「ファクターX」も関係してくる。つまり、普通の風邪である。日本は、例年、風邪を多くの人がひいてきた。他方、アメリカなどでは風邪をひいている人は、ほとんどいなかった、と言うわけである。細胞性免疫においては、この普通の風邪による免疫が、新型コロナに対しても、一定の免疫効果がある、という研究もされていたわけだ。
そう考えると、そう簡単に、この「ファクターX」を突破してくる変異が現れる可能性は、こと日本の場合は少ないんじゃないのか、と考えられるわけだ。くれぐれも、

  • オリンピック

なんていう馬鹿なことをやらなければ、だが、まあ、そういう意味では、菅政権は

  • 自作自演

の態度だったとも考えられるわけでw、誰も日本人で菅元首相を「ヒーロー」だと思っていないという今の日本の雰囲気は、実に

  • 健全

だと私などは思ってしまうわけだ...。