アメリカの錬金術

今回の「円安問題」は、直接には、日本とアメリカの金利差が関係している。アメリカが、連続して金利を上げたが、日本は国内事情から、金利を上げられない(金利を上げると、住宅ローン破産が続出するのもあるが、それだけじゃない。日本の、アベノミクスの「つけ」が関係していて、構造的に金利を上げる、という選択肢を選べなくなっている)。
では、なぜアメリカが金利を上げているかといえば、それは言うまでもなく、アメリカの

  • インフレ

がある。つまり、これは「インフレ抑制策」として、政府が「政策的に」選んで行っている、ということになる。
アメリカのインフレの最大の原因は、土地や不動産の投機的な値上り(つまり、バブル)と言われている。これをなんとかしたいのが、アメリカの今の政策ということになる。
そうやって考えると、実は、(当たり前だが)過去にも、アメリカは何度も、こういった「連続した金利を上げる政策」をやっている。しかし、それと今回の違いは、以下の動画でも説明されているが、

  • 全ての国債が「全面安」

となっていることだw

m.youtube.com

つまり、国債トレーダーに「お前は廃業しろ」と言っているようなものだw つまり、アメリカ政府はアメリカ国民に、どういった「メッセージ」を送っているのか?

と言っているのだ。今、国債をもっていると「大損」である。この損を回避するには、それを「現金」に変えるしかない。つまり、現金だけは、「安全な資産」だ、と。
もしも、現金が「価値が高い」なら、どうなるか? 人が「モノを買わなくなる」わけだ。なにかモノを買うより、現金をもっていた方が「お得だ」となれば、モノを買うのを、いったん、ひかえて、現金のままもっておこう、という動機が働くだろう。
ということは、みんながモノを買わなくなるのだから、モノの価値が下がるわけだから、「インフレがおさまる」というわけであるw
問題は、ずっとインフレが続いてきた、ということだった。そして、それを、アメリカ政府は、完全に「意図して」行っている、ということだ。
だと考えるなら、アメリカ政府は、いずれにしろ、アメリカの「インフレ傾向」がおさまってきたら、この政策を止める、ということを意味する。そこから、経済関係の人は、

  • 来年には、日本の円安傾向もおさまるんじゃないか

という予想を始めている。そして、再来年には今度は、アメリカも「金利引下げ」に変わるんじゃないか、と。
もしこれが正しいなら、今の日本の円安も一時的ということになるわけだが。
一つ言えることは、そもそも、日本の金融政策が何を目指しているのか、だろう。おそらく、金利を上げない(上げれない)ことだけは決まっている(今までの金融緩和から、そんな選択肢はありえないくらいにひどい状態に)。その中で、そもそも、アベノミクスは「インフレ傾向」を目指していたんじゃないのか。だって、「デフレ脱却」なのだから。その中で、企業が賃金を上げることを目指している。つまり、その意味は海外からの輸入一次品価格の上昇を「価格転嫁」しろ、と言った上で、企業が社員の給料を上げるために、さらに価格を上げろ、と言っているのだろう。
つまり、今の日本の金融政策は、ずっと、「価格を上げろ」と言っている。それが実現していないのは、

  • デフレ

だから(企業が値上げをやりたがらないから)、というわけだ。
円安の原因としては、アメリカが金利を上げているのにもかかわらず、日本が金利を上げないので、金利の差がどんどん広がっている、というのがある。しかし、もしそうなら、アメリカが金利を下げれば、この問題は解決するということになるが、それは、来年になるか再来年になるか分からない。
その間に、多くの個人や企業が、資産を海外に逃がすだろう。それは、「いつまでこれが続くか分からない」からだ。
世界的な、エネルギー価格の高騰は、直近では少しおさまっているが、ウクライナのことがある限り、全体的な、エネルギーと食料の世界的インフレのトレンドは変わらないだろう。この影響は、たとえ、世界的インフレが比較的におさまっても、日本の

  • 円安

があるのだから、相対的には高い状態が変わらなく続くことを意味している。
このことは今でも、市民生活に大きな影響を与えているわけだが、その代表的なものが、自動車のガソリンと電気代だ。ところが、この二つは、政府が、この両方の会社に補助金を出すことによって、一定の価格以上に上がらないようにしている。
こんなことをしたら、この二者が「便乗値上げ」をしても、誰にも分からなくないのか?
普通に考えれば、こういった情況に対策するのに、消費税の値下げ、または、廃止が最も打倒な選択だと思うし、実際にそれをやっている国もあるわけだが、なぜか、日本ではそれが選択されない。それは、日本では消費税にアレルギーがあるので、一度でも下げたら、次に上げる政治的リソースが大変だから、ということになる。
アメリカは、どうやって儲けてきたのか? その一つが中国だろう。中国企業に、製造させて、それを

  • 輸入

して、その「安い商品」を、値札だけ、ばか高い値段に変えて、アメリカ国民に買わせることで、その差額で、アメリカは、ずっと、

  • 成長

してきたわけでしょ。
まあ、典型的な

だよね。ところが、そうやって中国を利用してきた中国を、アメリカは「敵」認定して、さまざまに弾圧を始めている。
つまりは、アメリカこそ、最大のマフィアだって言っていいんじゃないかな。
なんて言うかな。アメリカは過去にも、何度かインフレに襲われて、今回のように苦しんでいるんだよね。そのたびに、かなり、アクロバティックな金融政策で切り抜けてきた。一回目が、ベトナム戦争の戦費で、インフレになったとき、金本位制を廃止して、変動相場制にしてのりこえた。
では、その後、何度が起きてきた、アメリカのインフレがどのように回避してきたか。一番分かりやすい例が、

だよね。日本に大量に買わせる。それは、

も同じ。これ、さ。日本も中国も売れないわけ。売ったら、アメリカが大変になるから、アメリカが日本にも中国にも、それをさせない。このことを逆に言ったら、これからも、同じことをアメリカは日本と中国に要求するよね。だから、信じられないような「アメリカの赤字」であるのに、アメリカがピンピンしているorz
まあ、日本で防衛費を二倍にしようという話もあるけど、これも、安倍がアメリカ政府からの「命令」を受けて、安倍が日本政府に「やらせて」いた案件だよね。こんな形で、アメリカは、いっくらでも、日本にアメリカの借金を背負わせることができる。そして、誰も逆らえない。日本が滅びるわけだよ...。