楠木ともりの降板について

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の、優木せつ菜役の、楠木ともりが、自らの病気を理由として、せつ菜役の「降板」を自ら申し出て、このほど、降板が決定した。
この突然の発表は、確かにそうだし、今、大きな反響を起こしているが、ただ、これまでも、いろいろとコンサートへの欠場などがあったわけで、ついに、来る時が来たのか、と思っていた人も多いのかもしれない。
ただ、おそらくこれも多くの人が思っているのだろうが、実際に、本当に「降板」しか方法がなかったのか、と問うてみると、はなはだ

  • 疑問

なわけだw
まず、楠木ともり自体は、これからも

  • いつも通り

に「声優」を続けるし、むしろ、虹ガク以外の彼女の声優としての活躍から、彼女のファンになった人も多いわけだろう(というか、彼女はソロの歌手として活動しているし、こっちについては「当たり前」だけど、これからも活動を続ける)。
そう聞くと、なにを言っているのか分からなくなるだろう。
結局、なんで彼女は今回、降板しなければならなかったのか? 彼女言わく、「優木せつ菜という役は、元気な子だから」だそうだ。そんな役にふさわしい「元気な歌手のパフォーマンスができない」と言っているわけである。
いや、さ。
もう、そういうの、やめない? 声優なんでしょ? 声優がなんで、激しいダンスをさせられてるのw
これ、本当に、悪い慣習だと思う。
というのは、こういったの、まったく始めてじゃないわけ。バンドリのRoseliaの今井リサ役の遠藤ゆりかは業界を引退したので、しょうがなかったのかもしれないが、白金燐子役の明坂聡美は、耳への負担ということで役を降りている。つまり、バンド活動じゃなく、声優だけなら、やれたし、実際、その後も声優をやっていて、多くの他のアニメの重要なキャストになっている。しかも、皮肉なことに、白金燐子役の代役のオーディションで選ばれた、志崎樺音は、今度はD4DJの渡月麗役を、声帯への負担を理由に降りている。白金燐子役を続けて渡月麗役をやめる理由は、おそらく、渡月麗役の方がソロで歌う比率が高いのだろう。しかし、それによって、「まったく似ても似つかない」別の声優に変わっているわけで、まったく、本末転倒に思われるわけだ。
結局、全体として言えるのは、

  • たんに声優単体の「お仕事」だったら、続けられた

と思えることだ。しかも、楠木ともりの場合はさらに、

  • たんに曲を歌う「だけ」だったら、続けられた

という、もう一つの皮肉がある。ダメだったのは、

  • 「優木せつ菜」という役が、アニメの中で、元気よくピチピチと飛び跳ねている、あの、ダンスパフォーマンスを再現できない

という理由だけにすぎない。いや、そもそも、「ただの声優」を舞台の上に上げて、ダンスをさせること自体が、おかしいだろw
それだけの理由で、アニメの声優が別の声に「させられる」の、という違和感が強いわけだろw
おそらく、さまざまな理由があるんだと思う。まず、楠木ともりの場合、今、多くの声優の仕事があるわけで、仕事を選べるポジションにある。だから、そこまで、ラブライブにこだわる理由がない。
(なんだろうな。スクスタというゲームもプレッシャーなのかも。あれも、3Dでキャラが元気よく動いて、ダンスパフォーマンスしてるんだよな。私は、まったく興味がないけど。)
あのさ。ファンの「需要」ってあるわけだよね。楠木ともりの声優としての演技がよかったとか、彼女の歌がよかったとか、そう思っている人には、なんで、それが奪われなきゃならないのか分からないとなるわけ。それに対して、彼女のダンスパフォーマンスが今まで通りの品質じゃなきゃ許せないから辞めさせろ、なんて思っている人いるのかな?
普通に考えて、「分業」でいいわけでしょ。たしか、アニメ「パリピ孔明」のヒロイン役は、声優と、その役がアニメで歌う歌手は別の人だった。いや、それが普通。だって、役割が違うんだから。
しかし、この垣根を乗り越えようとしてきた、もっと言えば、ある種の「声優のアイドル」化を目指したのが、この一連のプロジェクトなんだろうけど、そのために、さまざまな、今までの業界の常識が維持できなくなっている。
こういったトラブルは今後も続きそうだ...。