唐可可の帰国問題

いやあ。アニメ「ラブライブ・スーパースター」第2期なんだけど、さ。これ、今の時点で、すでに、第3期の制作が発表されているんだよね。そして、新1年生の一人のオーディションも始まっている。
だけど、さ。
私が思うに、ワンチャン、第3期が作られない可能性って、あるんじゃないのか、と思い始めているんだよね。その理由は言うまでもない。

  • 第2期の脚本が、あまりにもひどい

から。そもそも、この品質のまま、本当に第3期が作れるのだろうか? つまり、スパスタ3期が作られない可能性は、このビジネス・モデルが成立しないとか、人気がないからとか、コンサートの集客が悪いからとか、そういった理由とは、まったく関係なく、

  • この品質の、第2期のまま、その後続作品である第3期を、制作陣が「作れない」と考えて、ギブアップをする

から、と考えているわけである(まあ、アニメ「けものフレンズ」が、結局、今になっても、第3期が作られていない、という結末と、あまりに似ている、ってわけ)。
これ、さ。すごいよ。ほとんど、「対消滅」が成り立っている。つまり、ほとんど全てのテーマが「矛盾」している、と受け取られる。おそらく、2期全話に対して、その「反命題」を、別の話数から、探してこれるんじゃないか、と思っているw
たとえば、2期6話の、一年生だけで北海道合宿をする場面を考えてみよう。この一年生は全員、素人なんだよね。どう考えても、ダンスだったら、千砂都が近くで、マンツーマンで教えてくれる方が、成長するよねw そんな優秀な指導者が近くにいるのに、一年生だけで、近くに指導できる人材がいない場所に固まって、どうやったら、成長するんだろうねw
次に、2期9話という、すみれと可可の感動回を考えてみたい。
ここで、すみれは、可可の帰国問題を解決する方法として、一年生をラブライブの予選に出場させない、という提案をする。これに、かのんは反発するんだが、この発端が、千砂都が「一年生のパフォーマンスが二年生と比べて劣っている」問題を

  • 蒸し返した

ことについては、以前、指摘させてもらった。
これはこれで変なんだが、そもそも、すみれが一年生を予選に参加させないことを提案したことを、

  • なぜ2年生は、1年生の「新入部員」を勧誘したのか?

という観点で考えてみたい。1期の話を、もう一度、思い出してもらいたい。最初は、かのんと可可の二人でやっていた。最終的に、5人になったわけだが、考えてみると、最初の二人から、いわゆる「勧誘」らしきことは、やってないんだよね。例外といえば、千砂都だが、彼女は最初から、ダンスのコーチとして帯同していた。よって、千砂都がリエラに加入するかどうかは、それほど大きな問題じゃなかった。なぜそうだったかというと、

  • ライバルのサニパが二人だから

に尽きている。もともと、人数を増やす理由がないのだw 1期の最終話で、予選でサニパに負けた、かのんは、来年こそは優勝を目指す、といったことを語る。これを聞いた視聴者は、

  • <このメンバーで>優勝を目指す

と言っている、と受け取ったはずだ。実際、サニパは、ずっと2人なんだから、<そういうもの>と考えたって、不思議じゃない。
ところが、2期1話で、新入部員が一人も入らないことに、かのんがショックを受ける場面が描かれる。その文脈は、「なんで人気も実績もある、スクールアイドル部に一人も入ってくれないのか?」という、不人気の「理由」の方に重点が置かれていて、最終的には、一年生からのヒアリングで、その理由が分かることになる。
この文脈で、話としては、「かのんは新入部員が入ってほしい」という方に、いつの間にか、それが「自明」であるかのように、話がもっていかれる。
しかし、である。かのんは、「なぜ新入部員が欲しいのか」を一度も説明していない。というか、ここで、話がすりかえられている。

  • 新入部員が欲しい

と言うんじゃなくて、

  • きな子ちゃんに、入ってほしい(一緒にやりたい)

というふうに、議論が、すりかえられている。
じゃあ、なぜ、かのんはそう思っているのか、なぜそう思ったのか? これは、一切、説明されない。ただただ、かのんが、きな子ちゃんと関わる中で、そう思うようになった、という形でしか示されない。
ここで、かのんについては、「きな子ちゃんには、一緒にやりたい」と本気で思ったんだから、しょうがないじゃないか、と考えたとしよう。まあ、そう思っちゃったんだったら、しょうがないよな、と。
でも、さ。
1期の最後で、サニパに負けたとき、「来年は優勝したい」と思ったときには、別に、きな子ちゃんを知っていたわけじゃないんだよね。この決意って、重くて、そのためには、

  • さまざまな犠牲を払ってでも

やってやるんだ、という決意だよね。つまり、さ。きな子を誘うということは、この

  • さまざまな犠牲を払う

ことを、暗黙に、きな子ちゃんに強要することになる。つまり、こんな「犠牲」を払ってもらうことを、見も知らずの、きな子ちゃんに強要したい、と思うって、かなりエゴイストな印象を受けるんだよね。
まあ、とにかく、かのんっていうのは、こういった、かなり「わがまま」な子なんだ、ということで、いったん、ひきさがってみよう。百歩譲ってね。
しかし、今度は、すみれが謎になるんだよね。まず、すみれは、1期から、可可の帰国問題を知っていた。そして、その頃から、心配していた。
そこで、思うわけである。1年が入ってきたら、一緒にライブをやらないわけにいかなくなるんだから、予選突破を考えたら、

  • スキルの低そうな一年生を、メンバーに加えるのはリスクが高い

と、その時から思ったはずなんだよねw つまり、なんで、すみれは新入部員の勧誘に賛成したのか、が分からないんだよね。
まあ、これを一言で言うと、なんですみれは、もっと以前から、この問題を2年生と話し合ってこなかったのか? なんで、「今ごろになって」こんなことを騒いでいるのか、ということになる。
そういえば、前回、「なぜラブライブを目指すのか」という命題を検討させてもらったけど、考えてみると、唯一、その理由をもっているのが

  • オニナッツ

なんだよね。そのため、2期最終話で、オニナッツが「一番になれた」と、一人でかみしめる場面が評価が高いんだけど、まあ、納得だよね。だって、彼女だけ、ラブライブで「勝ちたい理由」があったんだからw いや、皮肉でもなんでもなくて、さ。
考えてみてくださいよ。かのん。1期の最終話で、ラブライブで勝ち負けを競うことに意味を見出せないって言ってましたよね。それに対して、サニパの二人に「出場するば分かる」と

  • 「見れば分かる」論法

で説得されたら、実際にラブライブの予選に出場して、来年は優勝したい、と思うようになるってわけ。
おかしくない?
彼女が、「勝ち負け」に意味を見出せないと言ったことは、具体的な理由があったわけだよね。なんで、音楽で「競わなければならない」のか? 音楽は、誰かを上にしたり下にしたりするものじゃない。音楽そのものが価値があるんだから、そこに、上だの下だのは必要ない、て。
つまり、彼女の反発は、

  • 具体的な理由

があったわけ。それが、なんで「見れば分かる」なのか? 驚くべきほどに、なにも言ってないよね。言ってないだけじゃない。かのんの「疑問」に答えてないじゃん。なんで、かのんの「疑問」は消えたの? どういう

  • ロジック

でそうなったの? どういう論理展開? あまりにも、強引すぎて、無理筋すぎない?
あと一つ、言わせてほしい。可可の帰国問題なんだけどさ。2期の最後で、ラブライブに優勝してしまったから、この問題。

  • 解決しちゃった

んだよねw 解決? あまりにも、おかしくない? 俺さ。いずれ、可可のお姉ちゃんが、出てくると思ってたんだよね。あと当然、可可の家族も出ると思っていた。だって、

  • なんで、可可は、ラブライブに優勝しなかったら、家族から「帰国」を迫られていたのか

が、あまりにも、その事情が謎だからだよね。一体、可可の家族とは、どういう人たちなのか。なんで、そこにこだわったのか、といったことが、いつか、描かれると思ってたんだ。
ところが、である。
もう、ラブライブに優勝してしまったから、この問題が解決しちゃったから、これから、この問題が再度持ち出される可能性は限りなく、なくなっちゃったんだよね。
つまり、可可の家族が登場する可能性は、限りなく、なくなったわけ。少なくとも、この帰国問題を理由とした登場はなくなった。
え? じゃあ、なんで可可の家族が、そこまでこの問題にこだわっていたのか(そして、そこまでこだわっていたことについて、今はどう思っているのか)ということが描かれることは、二度となくなったんだ、って思ったら、この「可可の帰国問題」って、こんなにひっぱって、なんだったんだ、って思っちゃったんだよね。伏線というフラグを立てておいて、その伏線を回収しないまま、前提条件の方が解決しちゃったから、いつの間にか

  • フラグの方が、一緒に流されて、なくなっちゃった

っていった感じだよね。うーん、あまりにも、ひどい脚本だよ...。

追記(2022/11/08):
2期6話で、かのんが北海道に行くんだけど、その理由に、「お父さんの忘れ物を届けに」って言う場面があるんだけど、私。ずっと、何を言っているのか分からなかったんだよね。
そしたら、あるユーチューバーの人が、「父親が仕事で北海道に出張に行ったんだけど、そのときに、何かを忘れた」という話なんだろうと推測されていて、すごいなと思ったんだ。もちろんその人は、それを批判的に言っていたわけだけど。
父親は翻訳の仕事をしているらしい、というのはわかっている。そっから、北海道に行くだろうとは、まず、想像できないよね。つまり、これもなんの前振りもないw しかも、だからって、なんで娘のかのんが、北海道に行くことになったのかもわからない。宅急便で送ってもらえ、としか思わない。
ちなみに、その後で、オニナッツの前に、父親のお土産の熊のぬいぐるみを着て、かのんが現れるわけだけど、こういう、ウケ狙いまで腐すのは蛇足なんでしょうねw