仮想通貨リーマンショック

今回のFTXの倒産は、そもそも、仮想通貨という「ビジネス」がありえるのか、今後も続いていけるものなのかを疑わせるに十分な事件だった。
ちなみに、こちらについては、以下の動画が投機筋の見方としては分かりやすいだろう。

m.youtube.com

まず、仮想通貨がどうやって最初の「値段」をつけていくのかが説明されている。つまり、

  • 仲間に買わせる

だ。これによって、「内輪で取引をする」過程で、「手頃な」値段になるように「調整」する。
この方法が実現できるのは、その仮想通貨の価格を「査定」する組織と、実際の市場を運営する会社が「実質的に同じ人たちが運営している」という、

が起きている、ということだ。
(上記の動画は、このFTXの時価総額とテスラの時価総額のグラフが似すぎていることを指摘している。つまり、どちらも

  • 同じ

人たちが同じ動きをしたから、こういった同期があらわれた、と予測している。いかに、イーロン・マスクが、うさんくさい人間であるかを示している一つの証拠だろう。)
しかし、普通に思うだろう。そんなの反則じゃねえの? つまり、これは犯罪のはずなのだが、彼らも隠して行っていることもある。しかし、その最大の理由は

  • 仮想通貨市場はできたばっかりのこともあり「法的な規制が緩い」「公的機関の監視が緩い」

にある。
彼らの会社はこれ以降も、さまざまに「悪行」に手を染めていくわけだが、その手法は古典的な詐欺行為の連続だ。
私たちは「なぜ彼らがこんな詐欺を行ったのか」と考えるべきじゃない。そうじゃなく、一定の「規制の緩い」市場で、人間に自由に行動をさせると、一定の割合で、こういったやからが湧いてくる、と考えるべきだ。
今回、顧客のお金をもって、アルゼンチンの闇仮想通貨市場にトンズラしたそうだが、これで、ほぼ確実に、顧客にお金は戻ってこない。全員、損を被らなければならない。あのさ。こんな市場、存在していいんですかね?
なぜ顧客は、この仮想通貨に投資したのか? 一つは、やたらと気前のいいリターンを約束していたことだ。これも、よくある詐欺のケースだろう。そんなうまい話はない、と。しかし、こういった詐欺にひっかかる、もっと根本的な原因としては、市場の金余りがある。つまり、世界的な金融緩和がこういった形で、お金の向かい先を彷徨う市場を作っている、と。
しかし、このことは逆に言えば、仮想通貨の「幻想性」を示しているとも言える。もしも、仮想通貨を、普通の投資のように政府による規制をガチガチに組込むと、そんなに普通の投資と変わらなくなる。だったら、普通の投資でいいやとなって、誰も仮想通貨をやらなくなる(一部のニッチな需要だけに使われていく程度のものになる)...。