クロアチアに負けたこと

今日の0時に開始した、日本とクロアチアの試合は、結果としては、延長でPKで負けた。
この結果について、人によって、いろいろと言いたいことはあるのだろう。まず、岡田ジャパンのときに、ベスト16で、同じような展開で、延長でも引き分けで、PK戦で負けた。前回のロシア大会は、ベスト16で、ベルギーに後半に逆転されて負けた。
つまり、ベスト16からベスト8には「壁」があるんだ、といったように議論されてきた。
しかし多くの人が思っていることは、少し違っているわけだろう。今回の大会は、グループステージで、ドイツとスペインと戦うことが分かっていたわけで、この2チームと

  • どういう試合をするのか?

が、ずっと問われていたわけである。つまり、「予選突破」こそが、大命題だった。ドイツとスペインがいるグループで、そもそも「予選突破」は可能なのか、がずっと議論されていた。
そういった中で、「結果」として、グループステージを突破して、クロアチアと戦うことになって、なにが起きたのかと考えれば、そこそこにお互いのチームが「いいチーム」だったから、延長を戦っても引き分けだった、というわけで、それ以上でもそれ以下でもない。
じゃあなぜ日本は、ドイツとスペインに勝ったのにクロアチアに負けたのかといえば、非常に端的な事実としては、

  • 日本は、非常に長い時間をかけて、ドイツとスペインの「対策」をしてきた

が、クロアチアについては、ここ数日の対策しかやっていない、というわけでしょ。
クロアチアの戦い方は、特に後半は、外からどんどんゴール前に放り込んできたよね。でもさ。これこそが、日本が一番

  • 苦手

なんだよね。だって、ゴール前の身長差を考えれば、どう考えたって、放り込んで、頭でシュートを打たれれば、絶対負けるよね。そして、事実として、後半にクロアチアに同点にされた。
どう考えても、日本はこういう攻撃をされると弱い、「弱点」だっていうのに、アジア予選でも、オーストラリアは日本に対して、こういった戦術をやってこない。昔は、それでやられて、日本はずっと、オーストラリアが苦手だったのに、オーストラリア自体が「つなぐサッカー」を勉強し始めて、日本は全然怖くなかった。
このグループステージも、ドイツもスペインも、こういった「放り込み」のサッカーをやらない。やりゃあ、いっくらでも点がとれるんじゃないかと思うのに、なんかよく分からない

  • 哲学

をドイツもスペインももっていて、こういう「恥かしい」試合がやれない。だけど、クロアチアは、ふてぶてしいまでに、それをやった。彼らは、それを恥かしいと思わない。だから、前回大会も準優勝したんだろうな、と思うしかないよね。
おそらく、勝敗を分けたポイントは2つあって、

  • なぜ「戦術三苫」を徹底しないのか? 三苫を先発させて、三苫がフリーで気持ちよくプレーできるように、なんで回りが「献身的」にプレーしないのか?
  • 延長で引き分けだったら、PK戦なんだから、本気でベスト8を目指していたなら、なぜ「PK要員」を用意しなかったのか? 延長の後半で、大量に人を入れ替えて、PK要員を大量に投入して、PK戦で勝とうとしなかったのか?

の二つに極限されるんじゃないか。
今大会、はっきりと日本が他の国と差をつけられていた場所は、三苫しかいなかった。だったら、彼を、アルゼンチンのメッシのように、特別扱いで待遇しなければならなかった。
PKは、PKの「うまい人」と「下手な人」がいるわけ。なんとしてもベスト8に行きたいんだったら、PKの「うまい人」に蹴らせるしかない。つまり、延長後半で、PKの「うまい人」に、大幅に入れ替えて、その人たちにPKを蹴ってもらうしかない。逆も正しくて、なぜ、権田を代えて、シュミットを入れなかったのかも、

  • PK要員

として、シュミットを使うという発想がない(クロアチアは、延長の後半で、やたらと今までのレギュラー選手を入れ替えていたよね。どう考えても、PK要員を入れたんでしょ)。
いや、ね。PK戦を

  • あんなのはサッカーじゃない

と考える人たちもいるわけね。それも一つの哲学なのかもしれない。だったら、「ベスト8」なんて言うのをやめよう、ということだよね。
そう。そう考えてくると、ここまで森保はずっと「奇策」でやってきたんだから、クロアチアにも奇策でいいじゃん、と思うわけよ。でもそれはできなかった。なぜなら、目標がベスト8だから。それを、凡ミスで逃すことは、その後のバッシングを考えてもできない。だとするなら、こういった

  • 確率

で勝ったり負けたりする。それを受け入れるしかないよね...。

追記:
確かに、三苫はマークされていた。常に「二人」のディフェンダーが、三苫がボールをもつと寄ってきて、彼にスペースを与えなかった。これって、日本が弱かったときにやっていた戦術なんだよね。一人では、Jリーグの選手では守れないから、必ず2人で対応する、って。でも、海外のクラブチームで活躍する選手が日本でも増えてきて、必ずしもそれは必要じゃなくなっていた。つまり、クロアチアはそういった「弱者」の戦術を採用することに、なんのためらいもない。日本も、三苫を左サイドから右サイドに移動させるとか、彼がボールをもったら、回りがサポートするとか、もっと三苫を有効に使う戦術があったんじゃないか、とは思うわけだ...。

追記2:
なんと、PKは立候補制だったんだそうだw ということは、森保はPKをどう戦おうかを、一度たりとも考えていなかったことを意味している。PKは選手の自主性に任せた。絶対に、森保に日本代表の監督を続けさせてはならない。森保は一度として、どうやってW杯で勝つのかを考えたことがないのだ。
クロアチアって、前回準優勝で決勝トーナメントで2回もPKで勝ってるんだよね。つまり?さ。クロアチアは、引き分け狙いだったの。PK戦で勝利狙いで、延長後半で大量にPK要員を投入して、PK戦で勝った。対して日本は、PKを立候補制にして、最初は一人も手を挙げなかった。なんなの、この茶番劇...。

追記12/07:
各選手がPKのどっち側に過去、蹴った割合が多いかはデータでわかる。これを参考にすれば、かなりの確率で方向はあたったのかもしれない。ということは、新人の選手ほど入りやすいのかも。