一般意志2.0という「恥かしい」本

東浩紀先生が『一般意志2.0』なる奇妙な名前の本を書いたとき、その少し前に、彼はこの本の題名を、なぜ「民主主義2.0」にしなかったのか、といったことについて少し書いていた記憶がある。
ようするに、彼としては、最初、民主主義2.0という言葉が頭に浮んだのだが、自分が書いた文章がルソーの「一般意志」という言葉についてしか書いていない、ということに気付いて、恥かしくなったわけだ。
確かに、「民主主義2.0」だったらタイムリーだった。民主主義は常に、「危機」と呼ばれてきたからだ。対して、「一般意志」と言った時点で、これはたんなる「哲学」の中のジャーゴンの話でしかないわけで、普通の人には関係ないわけだ。しかし、逆に言うなら、民主主義なんていう、だいそれたことを書いていないのに、まるで民主主義に対して、答えが出たみたいなタイトルに恥かしくできなかった、ということなのだろう。
『一般意志2.0』という本は前半と後半に分かれている。前半は未来の話ということで、かなり野心的なことが書いてある。ところが、後半は「その話はいったんおいといて」、とりあえず、今の時代の話を始めるんだが、これがとにかく

  • しょぼい

内容になっているw まず、彼の持論である「民主主義は駄目」なんだから、まず最初に民主主義をあきらめるしかない。じゃあ、どういった政治体制になるかといえば、たんなる独裁か、エリート独裁ということになる。どっちにしろ、独裁なわけだが、それが答えだと言うと、あまりに恥かしいので、東浩紀先生が考えた答えが

  • ニコニコの流れるコメントをスクリーンに流し続けることで独裁者の脳内に大衆の無意識を書き込む

という、なんとも情けない答えだった。しかし、おそらく、東浩紀先生は本気で、これが民主主義の代替になる、と主張していたわけだw
彼は本気で民主主義は駄目だと主張していた。だったら、その代わりの案を言わなきゃならないわけだけど、彼は「独裁」を本気で肯定した。実際、中国の共産党独裁を擁護していた。しかし、その場合、彼は本気で

  • ニコニコの流れるコメント

が、独裁者の悪を抑制できると言おうとしていたのだw 彼はそれによって、大衆を「騙せる」と思っていた。彼は本気で、民主主義が大事なんて考えたことがないのだ。つまり、独裁によって、自分がいい思いができればいい。そのためには、大衆に民主主義を捨てさせなければならない。大衆をなんとか「騙して」、民主主義を選ばないで、独裁に任せてみようと思わせなければならない。どうやって大衆を騙せるか? 彼が考えた騙しの方法が

  • ニコニコの流れるコメント

だったw これで、独裁者は脳内の無意識に大衆の願望が書き込まれるから、きっと、独裁者は大衆の意見を「おもんばかって」、大衆に配慮した政策決定をしてくれるよ、と。
いーですか。東浩紀先生は「本気」で、こんな恥かしい意見を書いたわけw
東浩紀先生っていうのは、この程度の、世間知らずの愚か者なわけね。
まあ、今では、統一教会の宣伝マンであったという正体がばらされて、誰にも相手にされない存在になってしまったが。
ただ、ここで、じゃあ、『一般意志2.0』の前半には何が書いてあったんだ、と思わないだろうか? 前半は、はるか未来の民主主義について書いてあった。そこでは、

  • すべてをコンピュータが「計算」をする

社会だった。つまり、民主主義の主体はそこでは人間ではない。人間の政策決定をコンピュータが行っている社会だ。じゃあ、コンピュータはどうやって計算するのか?
まず、

  • すべての国民の、すべての「ライフログ」を、そのコンピュータは採取して、収集する

つまり、ここにおいては完全な、個人情報が国家によって管理されている社会となっている。産まれてからの「全て」の、その人に関する情報は国家が収集するのだから、言わば、国家はその人よりも、その人のことが分かっている、というわけだw 「あなたの幸せは、あなたは今、あることが幸せだと思っているとしても、それじゃないよ。こうだよ。だって、あなたの過去からの全ての情報を計算すれば、そうなるんだから」。
なんだこれ、って思わない? 完全な、最悪な、パターナリズム社会だよね。恐しいよね。この人は、本気で、こんな社会がユートピアだと思ってたってわけ。真正のファシストだよね。さすが、統一教会エピゴーネンだよ。
しかし、さ。ちょっとでも考えてもらえば分かるけど、言っていることが、頭がおかしいんだよね。その人の一切の個人情報は国家によって、収集されるわけ。この監視社会では。家の中にも、無限の監視カメラがあって。その人のプライバシーは丸裸。
まず、

  • その人のセックス現場は全て盗撮されている
  • その人のトイレやお風呂の中まで全て盗撮されている

わけだから、「当然」国家は、そういった映像を使って、(それらの映像を世間にばらまかれないために)その人を「脅して」、自分たちの言うことに従わせるだろう。
次に、

  • その人の一切のパスワードが全て国家に収集される

わけだから、国家はお金がなくなったら、いつでも、いくらでも、その人のパスワードを使って、お金を引き出せばいい、わけだ。まさに「錬金術」であるw
あのさ。
こんな世界に住みたい? 東浩紀っていう人は、こんな世界を「ユートピア」だって、『一般意志2.0』っていう本で言ってたんだぜorz