ぼざろの「ライブ」を「ニコニコ配信」で

まあ、いろいろ言っても、ぼざろを見ない人は見ないわけで、というか、アニメを見ない人は見ないわけで、じゃあ、そういう人に、ぼざろを見させるって、なんなのかなと考えてみると、VTuberの星街すいせいが、THE FIRST TAKEに出たら、

  • あんなに見た

じゃないか! つまり、これとまったく同じだ。とにかく、ぼざろの曲を聞いてもらうしかない。というか、ライブを見てもらうしかない。
ただ、ここで「ライブ」といっても、実写版があるわけじゃない。声優が演奏して歌うわけじゃない。つまり、あくまでもアニメの一シーンなのだが、それは、上記の星街すいせいのFIRST TAKEがそうだったように、こういった描写も、ある一定の線を越えると、そういった目の肥えたプロのミュージシャンでさえ、感心される何かを見せ、訴えることができる。

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まずは、第5話のライブハウスでの試験時の演奏。「ギターと孤独と青い惑星」。この後半で、ぼっちがブルースドライバーをふみこんでから、音質が変わって、

  • ぼっち覚醒

の最初の場面で、ニコニコのコメントが、無上にもりあがっている。

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次は第8話。結束バンドのメンバーが揃ってから最初のライブハウスでの演奏となったが、あいにくの台風で、お客がまったく集まっていない。一曲目の「ギターと孤独と青い惑星」は、メンバーの演奏もうまくできず、かなり最悪のパフォーマンスで、観客の雰囲気も最悪だった、次の曲。「あのバンド」。
まず、最初のぼっちのリードギターのソロは、完全に、ぼっちの

  • アドリブ

なわけ(それは、アルバムの曲を聞けば、最初はドラムから入っているわけで、本当はその予定だったのを、ぼっちが完全に壊してきた)。というのは、前の曲の情況が最悪であることを把握して、ぼっちはなんとかして、メンバーの雰囲気を変えようとして、ぼっちが仕掛けてきた。これが、第8話最後の、「ギターヒーロー」としてのぼっちが認知されていく形を示している(まあ、ニコニコのコメントも、ぼっちの「ヒーロー」としての登場をもりあげるコメントが多い)。

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第12話、最終回の文化祭の一曲目。「忘れてやらない」。第1話からこのアニメを見てきた人には、あれだけ、ぼっちが文化祭でライブをすることを夢見てきたのを見させられてきたわけで、なんとも言えない気持ちにさせられる。考えてみれば、ずっとぼっちは、文化祭でライブをする「夢」のことばかり言っていた。
この一曲目の特徴は、途中で次々と学校内の風景が写されることだ。そして、文化祭の途中であるのに、人がいない風景が写される。つまり、みんなが声をかけて、体育館に集まって、ライブの応援をしている、ということをこれで示唆している。
あんなにずっと、クラスで孤独だったぼっちなのに、クラスの全員がこうやって、ぼっちの応援に、体育館に集まって、こうして、のりのりに踊ってくれている...。

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第12話、最終回の文化祭の二曲目であり最後の曲。「星座になれたら」。この曲の途中で、ぼっちのソロパートが用意されていたわけだが、一弦が切れて、ペグが故障してと、ソロパートをぼっちが演奏できない大ピンチになる。
そこで、まずこのピンチを救うのが、喜多ちゃんだ。ギターボーカルの喜多ちゃんが、ぼっちの代わりにぼっちのソロパートを弾く。
これを聞いて、すぐに目を合わせてアイコンタクトをするのが、ドラムとベースの、リズム隊の二人。つまり、ぼっちのソロパートを2回連続で行う「アドリブ」に切り替える。
そして、ぼっちの「ボトルネック奏法」で、ぼっちはこの最大のピンチを切り抜ける。
全体を通して印象的なのは、この曲の演奏場面が、とにかく、たんたんと過ぎていくことだ。つまり、アニメ的な「もりあげ」のような技巧的なものが、ほとんどない。
ただ、ニコニコのコメントは、ぼっちのピンチのときが、とにかく、最大のもりあがりを見せている。そして、ぼっちがピンチを切り抜けたことを知って、彼女が「ヒーロー」であることを改めて、礼賛するコメントで終わっている...。