新潟が川崎に勝つ

去年、J2を優勝して、5年ぶりくらいにJ1に復帰したアルビレックス新潟が、今日、川崎フロンターレという、近年では、J1でずっと優勝候補だったチームに勝利したことで、一部では驚きをもって迎えられている。
ただ、これまでの新潟の今年の成績は、1勝2分の負けなしで、好調だったことは確かだ。また、逆に川崎は主力の怪我などで、調子が上がっていないということはある。
試合を見ていた印象としては、まず、新潟の伊藤の調子がいい。去年もいい選手だと思ったが、今年はさらに目立っていて、往年の中田英寿を思わせるような、カウンターのキラーパスを連発していた。
あと気になったのが、川崎の調子の悪さだ。今日もそこまで悪くなかったように見えたが、完全に「王者」の戦い方をしてしまっている。受けて立っていて、新潟にかなり自由に空間を使われていた。
新潟は、これまでの3試合はどちらかというと、J1でも「守備重視」のチームとの戦いが多かった。そのため、特に後半はかなり押し込まれて、セーフティーに安全な場所に蹴ろうとしたボールを、ことごとく拾われて、連続攻撃を受けていた。特に、札幌はマンツーマンで「弱者」の戦いで新潟に挑んで、引き分けだったが、明らかに、新潟より勝利に近い試合運びをしていた。
ただ、それで思ったのは、そもそも新潟にしてみれば、J2というのは、そういった「弱者の戦い方」「ディフェンス重視」「ハイプレス」「マンツーマン」などの戦い方をするチームが多く、そういったチームに実際に苦労してきた、という経験がある。そう考えたときに、必ずしも、そういった試合に慣れていないわけではなく、苦労しながら、勝利を拾ってJ1に上がれた、という経験がある。
もともと新潟は、今のFC東京の監督のアルベルが監督をやっていて、「ポジショナル・サッカー」のベースを作っていたわけで、それを(当時、コーチだった)今の監督が、基本的には戦術を引き継いで今の戦い方を確立してきた、という形になっている。しかも、去年の多くの選手が、そのまま、チームに残ってくれているということは、今の新潟の「戦術」に自分のやりたいサッカーが合っていると考えてくれていると受け取れるわけで、そういう意味でも、今年のJ1での「挑戦」が興味深いわけだ...。