八木仁平『世界一やさしい「才能」の見つけ方』

宮台真司の「うさんくささ」が、

  • 文系(心理学、社会学)の「うさんくささ」

だと言ったとき、なぜこの問題の深刻さが多くの人に理解されないのか、と思うわけである。
ある、「統計」という名の

  • アンケート

を行ったとする。その統計「結果」なるものから、ある主張(=命題)が「成り立つ」と言うとき、

  • なぜそうだと言えるんですか(=その「証明」はどれですか)?

に、宮台は「絶対」に答えない。奴の主張は常に、ある論文からの「引用」で構成され、自ら、その「証明」を書くことはない(つまり、絶対に自分で、「証明」をしないし、だから彼には、若い頃を除いて、論文がないw)。
そもそも、文系には言葉の「定義」がない。むしろ、彼らに言わせると、「定義」がないことこそ、

  • 文系らしい

と言って、うれしそうにしている。つまり、定義がないことを議論できる、特権的な俺って、えらい、というわけだw つまり、文系は絶対に「アマチュアリズム」を認めない。素人が、俺の高尚な議論を理解できるわけがない、と。そして彼らは、「民主主義に反対」「福祉に反対」「東大出身の俺を優遇しろ」。つまりは、日本の

  • ガン

は文系だ、ということになるわけだw
掲題の本の著者は、まず、次のことを断る。

僕自身、大学時代には多くの有名人の書いた自己啓発本を読み漁っていた時期がありました。

なるほど。それで、あんたもその二番煎じをやろうってわけね、と。しかし、掲題の著者は「自分は違う」と言う。

なぜ、人によってアドバイスが違うのでしょうか?
それは、成功者の口から発せられる内容は「その人にとっての成功パターン」でしかないからです。

ここまで読んで、「それならこの本のメソッドも、八木さんの成功パターンに過ぎないのでは?」と思われた方もいらっしゃると想います。
確かに、僕が自分の成功法則として確立されている「少数の人と深い人間関係を築け!」などのアドバイスを語り始めてしまったらそうなります。しかし、本書では僕の個人的な成功パターンを語ることはしません。

まず、端的にこれは嘘だ。例えば、この本の最初で、自分がブログを書いて、成功した、という「成功パターン」の話を書いてある。つまり、

  • 自分は「成功」したから、成功者としての自分が語ることには「価値」がある

という、典型的な

のフォーマット通りに書かれている。しかし、コンビニバイトができなかった自分がブログを書いて、ベストセラー本を書けるまで「成功」したと言うとき、いや、その

  • 市場規模

の「ニッチ」さと、コンビニバイトのような、「世の中の一般的な職業」を比較することの異常さに気付かないって、こいつは、なにか根本的なところで欠陥があるんじゃないのか、と思わせるわけだw
まず、掲題の著者は、才能を

  • つい、やってしまうこと

と「定義」する(そういう意味では、苦手なことも「つい、体がそれをすることを避けてしまう」という「才能」だろうw)。その上で、

  • 憧れ=自己否定

だとして、「なにかになりたいと思ってはいけない」と、人々の全ての自己変革の努力を「否定」する。その上で、一番大事なことは

  • 自信

なんだ、と言う。自分に自信をもっていれば、全ては「うまくいき」「ハッピーになれる」と言うw
まあ、当たり前だけど、自分が「やれる」ことを実際にやれば、やれるよねw もはや「トートロジー」並みにやれる。やれたら、「自信」がつくじゃん、と言っているわけだ。だから、やれることだけやれ、と。それ以外をやろうとするな。
もう、完全な「ゆとり教育」だよねw
(おもしろいことに、以下の宮台のインタビューでも、ほとんど同じようなことを宮台は言っているw

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ようするに、こいつの「エリート主義」は、日本人の「劣化」と称して、日本人を「ゆとり教育」で、なんとしてでも低学歴にして、公教育にかかる費用であり、つまりは「福祉」に「反対」してきた、昔からの新自由主義者なわけだ。)
低学歴は、大学に行きたいと思うな。読み書きそろばんという、自分がやれること(小学校までに学ぶこと)で、「中卒」や「高卒」でも雇ってくれる仕事を、自分が「やれる」ことだから、実際にやって「自信゙」をもてるようになって「ハッピーになれ」と

  • 強制

しているわけだw この本の「運命論」は、結局は、

に収斂する。この本では、遺伝子と環境は50%、50%だ、と言う。しかしねw その「証明」はどこにも書いていないw それは理系の偉い人の本に書いてあるそうだが、どこなのかも示されていないし、引用もされていない。そりゃあそうだ。遺伝子、つまり、DNAとは、

  • タンパク質を生成する設計図的な機能を果すもの

を意味しているに過ぎないわけで、このタンパク質と「遺伝」なるものの言葉の関係もよく分からない。
つまり、典型的な「自己啓発本」が昔から繰り返してきている

  • 文系恫喝

の商売手法なのだ。まず、こういった本は必ず「ハッピー」という「目的=エンド」が命題として与えられる。そして、そこから「逆算」して、あれをやれ、これをやれ、あれをやるな、これをやるな、と言ってくる。この本なら、「自信をもて」「なりたい自分をあきらめろ」と。つまり、ここで分かるように、

  • 自信をもてば、ハッピーになる
  • なりたい自分をあきらめれば、ハッピーになる

という「非自明」な命題の「証明」がどこにもないわけだw ないけど、こういう本は次々と書かれ続ける。そして、こういう本が「自己啓発」的に、読者を

  • ハッピーにならなければならない

と脅して、「ハッピーになる方法が書いてある」この本を買わないお前は、この本を買わないというだけで、お前の頭が狂っていることが分かるから、お前はハッピーになれないと、視聴者「の劣化」とかぬかして、馬鹿にしてくるわけだ...。