メディアミックスの終焉

今回のスクフェス2の終了は、「1年」で終了となったところにポイントがあると思っている。つまり、ラブライブは学年が上がっていく物語を基本的に作ってこなかった。そして、それに対応してゲーム側でも学年は上がらない。というのは、学年が上がると卒業となるわけで、グループ活動をこのメンバーでやることはできない。
そう考えると、スクフェス2は最初から1年でサービス終了を考えていた可能性もあるのかもしれない。
全体として気になるのは、メインストーリーがないことだ。実は、スクスタにはメインストーリーがあった。つまり、テレビシリーズの続編であり、平行であり、どちらでもいいのだが、こういったメディアミックス型のスマホゲームの場合、ストーリーを読みたいという動機でゲームにさわり始める人も多いはずだからだ。
そこで、おそらく一番問題となったのが、最初のゲーム開発会社が

  • 撤退

していることだ。スクフェスはもともとクラブゲームスが作っていたし、スクスタもガルパもどっかの会社が作っていたが撤退した。私の感覚からして、もともとの開発元が離れて、別の会社が継続するというのは不可能に思われる。こういった形で業界的によく見られるのが「保守」案件だが、保守の場合、細かい細部を知らない前提で行われるので、もともと、大幅な改修を想定していない。根本的に変えるなら、それは「再構築」といった、全然別の「新規開発」となる(当り前だが、そのためには、新規開発と同様の時間もコストもかかる)。
ガルパもグルミクもそうだが、最初からの開発元の人たちには「自由度」が与えられていて、ある意味で好き勝手にやっている。グルミクなら、にょちおがゲームのさまざまなところに登場して、ふざけていたり。つまり、ゲーム開発側が楽しんでいる。
おそらく、たんに権限が与えられているだけでなく、それなりの収入が保障されているんじゃないだろうか。つまり、継続することにメリットがある。
しかし、そうだとしても、ずっと続けることには親会社の「都合」が大きく影響してくる。今回なら、明らかに、ブシロードの決算が悪かった。よって、「損切り」が行われた。会社とは、しょせん、株式会社なので、通常の会社と同様に、一般的なマネージメントによって運営され、会社の事業の整理統合が行われる。
ちなみに、なぜ、もともとの開発元が撤退するのかといえば、今回のガルパの開発元の撤退の場合なら、おそらく「単価を下げる」交渉が行われたのであろう。それを受けなかった。なぜなら、クラフトエッグ側にしてみれば、これを止めれば、新たな新規ゲームの開発の方に人材を回せるから。この事情は、おそらく、クラブゲームズの時も同じだろう。
ただ、全体として見たとき、おそらくこのキーポイントは、「メインストーリー」のように思われる。ここを、ちゃんと回収してから止めるにしても止めたい、とは、開発元も思っていたように思う。そう考えると、メインストーリーがないスクフェス2が終わることは必然だった。
(ところで、以前に刀使ノ巫女というゲームをスクエニが作っていたのであるが、メインストーリーの途中で完全に放り投げて止めているw これも、会社としての赤字のあおりを受けて、整理統合された、という形になっている。)
私が思うに、「メインストーリー」をファンに届けるという意味で、きりのいい所までは最低限サービスを行うといった点については、開発元にはその意識は感じられなくはない。一定の努力は見られる。他方で、その

  • ゲーム

を世の中に広めた側として、その「楽しさ」を知ってもらったユーザーに、これからもその「楽しさ」を届けなければならないという意識は、スマホゲームの開発側には、ほとんど感じられない。例えば、今回のスクフェスであれば、やはり、スクフェスリズムゲームは少なくとも、他のリズムゲームとも、それなりに違った感覚があるわけで、そこのあたりはどう考えているのかな、とは思わなくはない。
ただ、スマホゲーム全般にそうなんだが、開発元としては、このゲーム性の部分は「著作権」じゃないけど、一定の会社の資産として考えているようで、サービス終了と共に、二度と遊べなくなるパターンが多い印象だ。
(そもそも、スマホゲームはアップルやグーグルが「てら銭」を取りすぎ、という致命的な欠陥がある。この欠陥がある限り、私は今すぐにでも、すべてのゲームを廃止すべきだと思っている。)
今回のスクフェス2も、オフライン版を予定しているが、そこにはリズムゲームがないことはすでに宣言されている。

追記:
少し補足なのだが、スクフェススクフェス2となったが、おそらく、クラブゲームスの開発メンバーが何人かは、スクフェス2に参加していたんだと思う。しかし、開発体制は徹底して小規模になっている。というのは、もともと撤退が前提の配置だからだ。
ガルパはすでにクラフトエッグが撤退しているが、間違いなく、サ終が迫っている(おそらく、多くの人が思っているのは、アヴェムジカのメインストーリーだろう。テレビが来年の1月と予定されているわけで、これをやるかどうか、ですね)。いずれにしろ、今まで遊んできたユーザも、その覚悟はしておいた方がいい。
スクフェスとガルパに共通することは「開発からかなりの年月が経過している」ことだ。つまり、スマホゲームのリズムゲームの黎明期から存在した古参ということだ。そのため、ゲームの見た目も含めて、古くさいイメージが強い。リズムゲームの仕様としても、後から開発されてきたゲームとそれほど差異もないこともあり、一つの区切りとはなったのだろう。
(ちゃんとタイトル回収をしてなかったのでここでしておくが、スマホゲームの「メディアミックス」と、サービスの長期化は著しく相性が悪いのだと思う。)
あと、ブシロードということでは、グルミクが残っているが、こちらはメインストーリーが、なんか、AIの女の子がでてきたりと、よく分からない内容だがw、続いていることは続いている。まだサービス開始から数年ということもあり、開発元にもモチベはあるのかもしれない。ドーナツゲームスという会社が開発しているが、ホームページに行くと開発に関わったゲームが並べられているが、まあ、この中で、わざわざグルミクを最初にサービス終了しようというモチベも開発元にはないだろう。あと、グルミクの特徴は、かなり頻繁に他の会社やアニメコンテンツなどと「コラボ」をやっていることと、そもそも、D4DJと関係ない最近の曲が、大量にリズムゲーム側に提供されていることで(女の子しか主演しないという意味では、ラブライブやバンドリと変わらないのに)、男性の野太い声の曲も大量に入っているw なぜかと考えると、おそらく「DJ」「ライブ」といった、

  • リミックス

を意識した取り組みをやっているというところが違っていて、そこが他のリズムゲームとの「差異」となっている(逆に言えば、この部分については、ニッチな「おもしろい」ゲーム性を掘り下げられる可能性があるというところが、当面の開発元のモチベになっているのかもしれない)。