この第8話は、ネット上では「神回」だとか、「今までで一番感動した」とか、どうでもいい内容の、特に、ユーチューブの動画がアップされてるんだけど、こういうのって、最初から
- 試聴数稼ぎ
が目当てだからねw つまり、「煽り上等」の連中なわけ。
大事なポイントは、「脚本」のテクニックにあるわけでしょ。最後の仁菜と桃香の「和解」が描かれて、一緒にフェスを目指すことになるけど、そもそもそれ以前に、桃香さんは、すばるから新しく結成した自分たちのバンド「トゲナシトゲアリ」の
- 現状
について聞いているわけね。つまり、
- そもそも、ダイダスのボーカルの桃香が新しく始めた、ということで、急激に注目されている
- 仁菜の歌声が、有名なバンドのボーカルによってSNSでとりあげられて、バズっている
- 智とニパの所にも改めて、どこかの事務所がプロへの声をかけてきている(それまでは顔を隠して活動していた、謎の二人組だったが、こうして公に活動を始めて、さまざまな所から注目を集めている)
- フェスのアマチュア枠での出場権を獲得している
- バンドのフォロワー数が2万以上に急激に増加している
まあ、こんな感じ。つまり、最初から「後は桃香の決断だけ」だってわけ。
そして、明らかに違和感があるのがこの話って、「新ダイダスが圧倒的に人気がある」ってことなんだよねw なんだよその「チート」って思わない? なんで、新ダイダスが人気があるかって、そりゃあ、旧ダイダスのインディーズの頃からの活躍を知っているファンにとっては、その「延長」で、
- 重要
だからでしょw つまり、さ。
- 桃香は「全国的」な人気が今もある
ってことを示しているわけw 今回旧ダイダスから新ダイダスに変わる経緯が桃香から説明されたわけだけど、それってたんなる
- 「メジャー」でやっていく上での、前提条件
みたいな話でしかなかったわけでしょ。つまり、インディーズのダイダスは圧倒的な人気があった。その形態のまま、メジャーでやっていくことに、どこかに「壁」があったのかもしれないけど、少なくとも、インディーズのレベルでは、桃香はある種の「カリスマ」だった。
- だから
新ダイダスは「強敵」だって言っているわけでしょw これ、さ。話として、なんかさめてこない? 仁菜がこれから「挑戦状」を叩きつける相手の新ダイダスは、そもそも、
- 旧ダイダスに桃香がいたから
人気があるメジャーグループにすぎない。いや、それ、桃香が別格のカリスマだってことを示しているにすぎないんだから、
- どっちにしろ
新ダイダスもトゲナシトゲアリも、次のフェスでの「成功」が約束されているのと変わらない、ということを示しているわけねw
じゃあ、あとは何が必要なのか? 桃香がどこまでモチベーションをもてるか、ということになるよね。つまり、最初から、彼女の「やる気」が問題だった、というわけ。
そもそも仁菜って、さ。この作品の最初っから、ここまで、桃香に対して「何を言っているのか?」って、ほとんど一つのことしか言ってないんだよね。つまり、
- 自分は桃香さんが作った歌に「救われた」。救われて、ここまで来た。それだけ、桃香さんが自分に向かって言ってくれたことは、自分にとっての宝物なんだ。だから、それを「今」「ここ」で、世の中に向かってメッセージを送ることを、ためらわないでほしい。メッセージを伝えてほしい
ってことでしょ。これさ。
- 今
だから、大事なんだって仁菜は言いたいんだよね。つまり、桃香のメッセージは今、日本中で苦しんでいる多くの人が
- 必要
としているメッセージなんだ、という確信が仁菜にはあるわけ。だから、「今」語ることをためらってはだめだって言いたいんだ。「今」「ここ」で伝えることが大事なんだ、って。
うーん。
デデデデ劇場版を見てても思ったけどさ。「今」伝えようと思って、「今」「ここ」で伝えなかったら、一生伝わないことって、きっとあるわけだよね。デデデデなら、次の一瞬で、人類が滅亡するわけだけど、たとえ、そうだとしても、その前に、なにかを伝えなきゃいけないことがあるんじゃないか。少しそれを伝えることを後回しにしたら、もう、絶対に相手に届かないままになってしまうことってあるんじゃないか。まあ、そういった種類の話なのかな、って聞いていたんだけど。
いや。仁菜の予備校の話とか、小さい話に聞こえるんだよね。こうやって、フェスのアマチュア招待枠の出場が決まって、そうなると、行きがかり上、桃香さんは「そこまで」は少なくともやるよ。だったら、少なくともそこまでは、仁菜も全力でやるでいいんじゃないのかね。
だから、一つだけはっきりしていることは、このバンドの中で、最初から最後まで、俯瞰的に冷静に見ているのが、すばるちゃんなんだよね。彼女は今の状況を、なるべくフェアに見ようとしている。まあ、もともと芸能人家族の孫だから、そういったマスメディアの動向を相対的に見れる幼少期からの目がこえているんでしょうが。
話としては、「退路を断つことが大事」とか、どっかに新興宗教のような雰囲気もあって、私はかなり悪いアレルギーのあった回だったと受け取っているんだけど、それはそれとして、最終回まで、どこまで「脚本」が見るに耐えられる続きを描いてくれるのかが問われているんだと思いますよ...。