福田康夫『一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ』

福田さん、衛藤さん、のインタビューの形式の、かなり前の、対談である。まだ、最後まで読んでいない。
思うのだが、安倍前総理が、国民から、徹底的にパージされたきっかけは、いつかと考えると、やはり、国会で、年金問題で、長妻議員から、国民への情報の通知の一刻も早い行動を求められたとき、「そんなふうに国民の不安をあおったら大変なことになりますよ」みたいなことを絶叫して、脅した姿が、「ニュースステーション」などで何度も繰り返し流された時からじゃないでしょうか。
日本の国民の態度は、一旦、ある人を、「自分たちの見方」でないと判断されると、その後は、なにをやっても許されなくなる、そういう性質があると、よく言われますね。特に、女性の有権者の行動がそうだと言われますね。
あと、松岡前農水大臣の自殺ですね。日本の戦後の歴史の中で、大臣の自殺など、前代未聞である。戦後直後の混乱期でさえそうなのだ。そこから、国民の安倍政権への、あわい情熱は、まったく、かげをひめた。この様子は、日本赤軍の終りから、完全に、特に、家庭の母親たちが、学生運動を無視していく過程と、実によく似ているように思える。
福田さんは、前の、安倍前総理の選挙の歴史的大敗がなければ、総理になることはなかったであろう(そして、実質、現在の政治は、ほとんど、法律が通らず、ストップしているのと変わらない)。
現在の、福田首相は、同じく総理になった2世議員である。しかし、その道程は、ずいぶん、屈折しているようだ。実際に、政治家を決意したのは、相当、年を重ねてからとある。
彼が、なんかソバ屋に、色紙に書いていた文字が、テレビのニュースでやっていて、その文字は、たしか、老子の「光而不燿」であった。
福田さんという人について、私は、何も知らない。
ただ、こういった福田さんのような、漢籍にも通じた日本人が、日本の首相となって、中国に訪問することは、多くの人に、お互いの歴史、とくに、多くの中国の文献への、関心を喚起する、きっかけになればいいですけどね。

一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ

一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ