ようするに、軍事力などの、「ハード・パワー」と比較して、ソフト・パワーの影響は大きいよ、というだけの本。大事な視点でしょうけど、あんまりおもしろくない本だ。だって、それだけが言いたいのなら、今までの多くの文筆活動は、ソフト・パワーそのものなわけですから。
たしか、『武装解除』
- 作者: 伊勢崎賢治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: 新書
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という本を書いた、伊勢崎賢治が、NHKで、爆笑問題と対談していて、
ジョセフ・ナイだったか、だれかの説を引用していた覚えがある。
つまり、日本の平和憲法というのが、東アジアの軍事バランスに、非常に不思議な影響を与えてきた、と。日本は、戦後、新憲法により、海外侵略が禁止されたことで、海外侵略を匂わせるような軍備をもつことを、徹底して忌避してきた。そのことで、東アジア各国は、過度な軍拡競争に走ることなく、経済に専念できた。今の中国にしてもそうでしょう。確かに、日本の防衛費は、かなりの額なんだけど、まず、直接、他のアジアの主要都市を破壊するような侵略的な性質がかなりない。
逆にそういう分析が、北朝鮮の軍事戦略に影響を与えている面もあるだろうが、一応、アメリカは、日本のお隣の国になりますんでね。直接、戦前の日本を滅ぼした国でもありますし、アジアは、その影響の中で考え、行動してきたことは間違いないんでしょう。
- 作者: ジョセフ・S・ナイ,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
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