「ゲド戦記」

テレビでやってたんで始めて見た。
ル=グウィンの作品は幾つか読んだけど、この原作は読んでないんだよな。
なるほどね。ウィキ見ても、いろいろいきさつがあったみたいですね。
ようするに、この監督が、原作を読んでよく分かんなかった部分を、自分が分かりやすいようにした、ってことですな。ありがちな話。
久しぶりに、気持ちわるいものを見た。戯言シリーズの最終回なみだな。
オープニングで、アレンが自分の父親を殺しますね。原作にも原案にもないという、この場面。むしろ、臆面もなく、こういう場面が作られるところに、これにゴーを出した責任者の、アニメ制作への愛情のなさがわかりますね。
その後のストーリーで、アレンがテルーにそれを告白して(テルーがそれで打ち解ける?なんだよそのテメーカッテな御都合主義)、それで?とにかくはっきり言えることは、あらすじの中でまったく、消化されてないでしょ。アレン、最初っから最後まで、すっきりした顔で行動してますね(ちょっと目付き、いじる場面ありますけど、そういう小細工の問題じゃないでしょ)。まるで、父親を殺してない、原作や原案のストーリーのように。
宮崎駿には、漫画版のナウシカをみても、クリエイターとしての、長年のキャリアがありますよね。彼は実際に長い年月、ものを作ってきたわけですよね、しかもプロとして。少なくとも、彼の少女へのロリコン的のものを含めて、彼自身が作品制作から感じるフェチシズムは、ある部分は評価され、ある部分は理解されることなく、でも、全体として、長年、受け入れられてきたわけだ。だから、ものつくり人として、そういう意味で、純粋だし、当然、真摯になるに決まってる。親の七光なんて通用するくらいのつまらないことなら、だれも、ものつくりなんてやろうとしないでしょ。
もうコメントは必要ないでしょ。今までなんのクリエイティブなことをやったことがない、アニメになんの愛情もない奴(少しでもそういう感情があったなら、親なんか関係なく、漫画やアニメ、今まで、自分で作ってるでしょ?)を、場違いなところに立たさせた、どっかの責任者が、現場を無視して、うまい汁を吸おうとした、それだけですね。

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