「となりのトトロ」

これだけ、国民的な作品をどうのと言うのは気がひけるが。
この細かい細部へのこだわりですよね。「アルプスの少女ハイジ」にも通じるような。ほんと一場面一場面に神が宿っている。ライプニッツの世界観すら思わせますね。
ひっこして来る家が、ぼろい。昔、自分が住んでいた貸家みたいだ。メイが、縁の下をもぐる場面はちょっと、うるうるきますね。
メイが始めてトトロと出会う場面。至福の時ですね。
最後の、メイが迷子になって、サツキが必死になって探す場面なんて、弟や妹のいる人はみんな心のどこかに体験してこびりついているんじゃないですかね。
この作品がどういう意味で重要だったかと言うと、アニメに偏見をもっていた大人たちに、根底的に衝撃を与えたことですよね。そもそも、表現手段なのであって、問われるべきは表現の内容。多くの大人はこれがなんなのかすら、うまく概念化できてないんだと思いすね、今だに。宮崎さんは表現者として自分のやっていることに、圧倒的に自信があったと思いますね。

となりのトトロ [DVD]

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