NNNドキュメント「トクメン 105歳の刑務所ボランティア」

日テレのドキュメント番組。
刑務所には、篤志面接委員というのがあるのだそうだ。通称トクメン。受刑者に、仮釈放の心構えを説いたりする役割だという。
姫路少年刑務所のトクメンの黒田久子さんは、105歳。
彼女の特徴は、受刑者に会う前に、事前に予備知識をもたず、その場での、聴き取りをするという。できるだけ、先入観をもって接することがないように。
最近は、どうも抽象的な、分かったような、理屈をふりまわす奴が多い。しかし、そういうアプローチは、結局、他者に出会うことなく、表面的なネタで内輪でもりあがることにしかならない結果におちいりがちなものだ。そして、そういう態度で、悦に入っている奴には、相手も足元を見て、適当に相槌を打つことになる。他者は他者の世界で生きているのであって、理解など傲慢な話なのだ。
彼女が最近心配していることは、性犯罪が増えていることだという。性犯罪者は、再犯率も多いのだそうである。
再犯というのは、大変、象徴的な現象である。そもそも、なぜ、罰があるのか。罰とは、なんのために用意されたものであったのか。再犯がそれほどの高率で起きるということは、そもそも罰としてやっていたことがなんだったのかを問われなければならないのではないか。
黒田のおばあちゃんは、ある性犯罪を犯した少年の親が、その少年と連絡をとろうとしないところから、親に手紙をだす。彼女の考えでは、最後の砦こそ、親であり、家族であるという考えだ。彼女は、過去に、親が離婚して、仮出所したある少年が、両方から拒否されて、再犯をおかした、という苦い後悔の経験をもっている。
黒田のおばあちゃんは、性犯罪を犯した子どもの、仮出所、出所したときの、リハビリの施設のようなものの必要性を訴えていたと思う。
よくよく考えると、この刑事訴訟として行われていることとは、なにをやっているのか。これがなんなのかというのは、難しい。なにか、高度なことが行われているんだけど、それはなんなのか。ここで行われていることの、国民的な合意、共通認識がなされているのか。