NHKスペシャル「病の起源第3集・腰痛」

今まで、人間の、腰痛の起源は、二足歩行にこそある、という言い方が一般にされてきた。
もちろん、それは、確か、なのだが、しかし、この言い方は、正しくもない、とこの特集は言う。
たとえば、あるアフリカの狩猟民では、腰痛になる人がいない。
ラソンランナーの椎間板をみると、腰の悪い人のは水分がなくなっているのだが、水分が豊富で、ぷっくらしている。
毎日、歩いたり、走ったりする行為は、椎間板の、水分の補給には、新陳代謝を活発にして、いい、ということのようだ。
番組でやっていたのだが、狩猟民のある人に、GPSをつけたら、狩りで、一日中サバンナを移動して、実に、一日27キロメートルくらい移動していた。この距離にびっくりしないか。人間が、農耕生活を始める前の、その姿を想像するとき、こういう感覚が重要じゃないかな。
他方、人間が腰痛に悩まされていた姿が、遺跡として残っている例を紹介していた。それは、農耕民族で、小麦の粉をひく仕事をする人のようだ。前かがみの姿勢というのは、腰に、すごい体重をかける、ということのようだ。デスノートのエルのような姿勢が一番悪いんだろうね。
ちょっとおもしろかったのは、腰に全然悪いところがないのに、腰痛に悩んでいる患者の例だった。
その人の場合、腰痛を感じているとき、前頭葉しか反応していない。どうも、心理的ストレスがある場合、腰からちょっとした刺激が脳に伝わると、それを増幅させて、反応しているのではないか、という解釈であった(実際、そういうストレスがなくなると、腰痛もおさまっていった、という)。
歩くというのは、全身運動であり、人間の基本なんでしょうね。散歩は、いいとよく言いますしね。