軍人恩給

まあ、とりあえず、こういうことには、いろいろ調べてくれる人っているもので、ググったら、こんなサイトがすぐみつかった。

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読むと、まあ、それなりの額ですね。なんの条件もなく、これだけもらえるなら、けっこうおいしい。
ちょっと気になるのが、総額が一兆円くらいあるんだけど、全然減ってないらしいんですね。(当然、もらえるのは、本人、奥さんくらいで、期間も決められていますから)遺族はどんどん亡くなっているわけですから、総額も減るはずなのに、減らない。上記のブログでは「養子縁組などして、本人や奥さんが死んでももらっている」んじゃないか、みたいに推測してますね(恐らく、相当「国の審査が甘」く運用されている、のだろうと)。
さらに、すごいことに、戦争で死亡、負傷した軍人には、「援護年金」というのがあるんだそうだ。なんと、本人だけでなく、「対象は配偶者、子、父母、孫、祖父母」。総額で、軽く、数兆円はいくだろう、と言っている。
政府・自民党は、これらの実態をまったく公開していない、のだそうだ。
軍人恩給のうさんくささは、その特権的な権利ですね。被侵略国の人々や、空襲や沖縄戦で死んだ民間人は、まったく個人補償がない状態で、この人たちだけ、膨大な、「感謝の御礼」が払われてるわけでしょう。
ここまででもいろいろ議論がありそうだが、もっとまいっちまうことが、大佐とか、軍隊の地位が高いほど、高額をもらっていることですね(勲章に似た感じなんですかね)。
したたかと言ってもいいけど、これをもらって育ってきて、今のステータスのある次の世代がいっぱいいるというわけでしょう。
軍人恩給は、GHQによって禁止されていたわけですね。しかし、自民党は、50年代に、勝手に復活させた。
60年代の全共闘は、大学教授たちが、戦前となんの変わりもなく研究を続けていることへの糾弾闘争から始まっていますよね。
彼らは、言ってみれば、親世代がまったく、過去を引き受けなかったこと、一切、口を閉ざし、欺瞞的に、子供を育てたことを、精神分析的に反発した世代なんでしょう。
しかし、この時代の大学って、今と全然違って、一割も行ってないですよね(まあ、戦前だって、そうだけど)。いずれにしろ、この70年代の始めくらいまでの大学に行った、人たちって、どんな人たちなんでしょうね。
全共闘が、「自己否定」というキーワードで語られたことには、こういったもろもろの背景もちょっとうがってみたくなりますね。
しかし、連合赤軍内ゲバ事件を境に、急速に、全国の主婦層の、政治への関心が消えていき、(生活圏にとどまらない)政治を語ることは、タブーとなっていく。この頃からの主婦とは、そういう戦中に、義務教育を受けた世代以降で、直接、戦争の当事者ではなくなっていった人たちなんですかね。
彼らは、こうやって、軍人恩給も復活してきた実態を受けて、功利的にふるまうことが、いかに彼らの経済基盤を磐石にする上で重要かに、気付いていく世代なんでしょうね。
子供は基本マザコンですし、親の態度に敏感ですからね。そしてその後は、無意識のレベルで、こんなことまったく意識せず育っていったわけだ。
日本遺族会は、靖国神社という単なる形式的な議論をやってるけど、実質は、この軍人恩給でしょう。
いずれにしろ、日本遺族会でも、少しづつ戦争に加害的に参加した人たちはいなくなっていて、圧力団体としてのパワーもなくなってきている。
そうなると考えるのが、なんとか、この権利を「既得権益」にできないか、ですね。
上記の概要をみただけでも、すでに、なにかの、特権階級として、戦後、あった傾向はありますね。
なんか、ハリウッドやディズニーの著作権の話を思わせますね。期限が迫るたびに、後に伸ばしていく戦法。
ちょっと、郵政の世襲郵便局長の話まで思い出しますね。
言ってみれば、最後に残った、全面的に無条件に、自民党を支持する圧力団体じゃないですかね。これからも自民党政治が安穏と続けば、ほんとの貴族、特権階級にさえなりかねないと言うと、言いすぎですかね。