広瀬隆『普及版・世界金融戦争』

テレビを見ていると、よく、「こんなのを見てたら、自分の頭が悪くなるな」、と、思うことがある。
前にも書いたが、結局のところ、テレビ、や、新聞、というのは、政府の情報源と、親密になることで、一早く、情報を、発表することを、先決事項、として行動している媒体である。
ということは、どういうことか。彼らの報道姿勢は、「真実」報道、や、「調査」報道、に興味がない、ということである。そんなことをやったら、情報源、にとって不利な情報を発表することになり、情報源、は、この媒体からの発表を嫌がることになる。つまり、彼らがやりたいことは、あくまで、政府「広報」、なのだ。
許認可によって、地上波テレビは、あくまで、政府によって、「認可」されて、商売を行っている。認可を剥奪されれば、彼らの、ビジネスモデルは、成立しない。
そうすると、どういう報道姿勢、になるだろうか。勢い、そこで、とりあげられる話題は、始めから、さまざまな、フィルターにかけられた、人畜無害な、話題、ばかり、となる。
そういった、できるだけ、世の中、の真実に触れないような、話題の設定、を目指すので、逆に、なにを言っているのか、さっぱり理解できない、むにゃむにゃ、ばかりになる。目標が、真実を語らないことなので、徹底的に地雷原を、避けて、その時間、その紙面を、つっ走り切る。
掲題の著者ですが、videonews.com に出演していたのだが、広瀬さんが、生で、しゃべっている姿を始めて見た(元気そうでした)。広瀬さんと言えば、「危険な話」、で、原発問題を告発して、「赤い楯」でしたっけ。ずいぶん、昔に読んだ記憶がありますが、ロスチャイルドものでしたね。閨閥を追っかけていってってものじゃなかったか(あんまり、おもしろいという記憶はないですけど)。
ただ、結局、人脈なんだ、というのは、説得力はあったんじゃないか。掲題の本は、半分くらいまでしか読んでないですけど(近刊がでるそうで)、ロスチャイルドに始まる、ユダヤ人脈が、アメリカの金融関係の、主要ポストを独占し続けてきたことは、そうなんでしょう。あの、オバマでさえ、この状況は、なんにも変えられていない。彼が、どんなに思い切った「チェンジ」をやりたくても、これだけ、ポストを押さえられていては、結局は、なに一つやれるわけないんですね。
だって、おかしいでしょう。あれだけ、サブプライム問題などで、おかしなことになっているのに、少しも、株式市場を規制しようという話が、でてこない。
どう考えても、先物取引が、すべての元凶でしょう。こんなもののために、どれだけ、実体経済が、もみくちゃにされれば気がすむの。
こんなのやめちまえばいいのに、だれも言い出さない。デリバティブなんて、なんの正当性あります?タックス・ヘブンなんて、あれ、どこの国の領土ですか。ちゃんちゃら、おかしいでしょう。
広瀬さんは、番組で、結局、そのルーツとなっているのは、イギリスの爵位制度じゃないか、とは言っていた。なんらかの称号をもらうと、「はく」、ができる。すると、信用ができるから、人脈ができる。この、イギリスの爵位が中心となって、人脈ができていくんじゃないか、と。
はっきりしていることは、これだけ、強力な人脈があれば、市場のコントロールなんて、余裕でやれる、ってことでしょう。そもそも、ここまで、主要ポストを、人脈的に、ツーカーの連中が占めたら、インサイダー取引なんて、し放題じゃないですか(世の中の、エコノミスト。一体、いつになったら、こんな当たり前のことを、話し始めるんですかね)。
人類は、あと、何百年、この、一部の人脈による、世界支配の、おこぼれで生きれば気がすむんでしょうか。

普及版 世界金融戦争 謀略うずまくウォール街(上)

普及版 世界金融戦争 謀略うずまくウォール街(上)