ホンダのカブ

今さらだが、ホンダのカブについて書こうと思う。
私たちが生まれてから、街を歩けば、当たり前のように走っていた、あの、
もっさい
形のバイクは、よく考えれば異様だった。だって、バイクとは、若者にとっては、嗜好品だったからだ。ナナハンなどといって、流線型のでかいエンジンを積んだ、バイクの後に、オンナノコでも乗せれば、ちょっとした夢がなった、といったものだろう。
それに比べて、なにこの、
ださい
かたち。こんなので、バイク、って言われてもなー。
でも、なんで、こんな形なのだろうか。ドイツのフォルクスワーゲンも変な形だったけど。
ただ、カブは、間違いなく、仕事で業務用で、バイクを使うような人たちに支持された。なぜ、仕事持ちたちは、カブで仕事をしようと思ったのだろうか。安かったのだうか。分からないが、とにかく、今でも使われている。
ところが、知っている人は知ってるが、これが、
世界中
で大爆発に売れたのだ。東南アジアでは、もともと、道路事情もあったのか、バイク文化が馴染みやすかったのか、日本など比べものにならないくらい、みんな、バイクを乗る。
広大な道路を、前から前から、カブが行く。あっちもカブ、こっちもカブ。カブ、カブ、カブ、カブ、...。カブの大群が街を群をなして駆け抜けて行く。まさに、
庶民の足
なのだ。まるで、騎馬民族が、ユーラシアの大地を、馬で駆け抜けたように、東南アジアで、一発、ビジネスで大儲けしてやろうと、野望に燃える、若者が、まず、大枚はたいて手に入れるのが、こいつ、だったのだ。この足で、この、ユーラシアの大地を縦横無尽に、駆け抜けるのだろう。
カブは、非常にシンプルな構成になっている。しかし、他方において、このカブは、ウィキにもあるが、非常に大きな特徴を持っていた。
やたらと、丈夫だったわけだ。一般的な、こういった乗り物では考えられないような、積載量を余裕で積めた(三人四人乗りさえ余裕)。なんだか知らないが、そんなバケモンを日本の企業は「安っすい値段で」作っていた。
彼らは、何が「いいモノ」かを知っていたのだろう。