ある「いらだち」

なぜ大飯原発「が」再稼働したのだろう?
なぜ、原発が再稼働をするとしても、「他」ではなかったのだろう?
ネット上にころがっている、政府寄りのニュースソースを見ても、その「意味」がさっぱり分からなかった。
そう思って、今週の videonews.com を見ると、専門家による大飯原発直下に活断層の可能性の話がされている。
しかし、問題はそういった「タテマエ」の話ではないように聞こえた。そもそも、若狭湾近辺は、日本において、最も活断層が縦横にはりめぐらされ、日本中で最も、原発に向かない地域であるはずなのに、そんな原発銀座が活断層銀座になってる。

  • どうしてこうなった。

国家が原発を作ろうと誘致を呼び掛けると、どこの地域も嫌がる。たまたま、若狭湾の人たちが、誘致に積極的だった。よって、この地域だけ、たくさん作れそうな雰囲気がある。しかし、そこで本物の地形学者が、その地形を見れば、危ないと判断して、今までの誘致合戦の苦労が水の粟になってしまう。そこで、
御用学者(ニセ専門家)
に「おれにも家族がいるんだ」と、安全寄りのハンコを押させる。
あらためて、311以前の利益相反の恐しさを感じさせられた。
しかし、こうやって改めて思うのは、もう、作られてしまっている、ということだ。ものすごいお金をかけて。他国なら、あまりに危険と判断するようなところに。
そして、そういう場所の原発が「最初」に再稼働された。
...。
311以降も、原発行政は何も変わっていない。
そしゃそうだろう。だって、「やっている人」が、まず、変わっていないのだから。
人間は変わらない。
反省をしないのが、人間なのだろう。
野田首相がテレビで、いじめについて呼びかけていたというニュース記事がネットでもちらほら見かけるが、学校の先生を究極的な意味で雇っているのが、野田首相なわけで(中学は義務教育であり、それを義務として命令しているのが、国家なのだから)、その先生の行動が問題視されているときに、ちょっと当事者意識の足りない、他人事のようなコメントかな、という印象は受けた。
なんというか、311以降、日本社会が、なんとなくデリカシーのない印象は受ける。軽い言葉が、責任のある人から、次から次から、発せられ、なんというか、

  • 社会の知性

への信頼が、大きく揺らいでいる毎日を嫌でも実感させられている、というところだろうか。
一つ前に紹介したラノベココロコネクト」は、今、第4巻の途中まで読んでいるが(それにしても、つい最近の出版なんですね)、この巻は、まさに、一つの

  • 頂点

に達しているという印象を受ける。
第3巻までは、まだ、彼らのポジティブ・シンキングは、さまざまな困難をブレークスルーしてこれた。それは、さまざまなアイデアもあっただろうが、基本は、そういった

  • 前向き

な姿勢が、そうであるなら自然に解決していくものであったように思われる。
しかし、なぜ彼ら5人は、このような不条理な<ふうせんかずら>や<二番目>からの攻撃を受けてきたのか。それは、言わば、

  • 永瀬伊織(ながせいおり)

が、その5人の中で、あまりにも「異質」だったからだろう。つまり、あまりに「バランス」がわるすぎた。一人だけ、飛び抜けて、他の4人とは違っていたから。そのアンバランスを「意味」的に(=物語的に)解消しようとした、仕掛けだったんじゃないのか。

「......なんで悪びれもせず平気なツラしてんの?」
「悲しそうな顔すればいいの?」
今の言い方は感じが悪過ぎた。わざわざ喧嘩売らなくてもよかったのに。カリカリしているのはお互い様らしい。
「あんた、調子乗ってんの? 普段はいい子のフリしちゃってるクセにさぁ」
「調子に乗ってるのはそっちだろ」
これは、口に出すべきではなかった。
でも瀬戸内には、無性に言いたくなってしまうのだ。なぜ?
「はぁ?」
瀬戸内は、こめかみに青筋が立つほど怒りに震えた表情をする。
「わたしが誰に告白されて誰をフろうが、そっちには関係ないじゃん」
間違いなく正論。ただ頭に血が上っている人間に、冷めたトーンでの正論は不味かった。余計に相手を煽ってしまう。わかっているけど、言いたかった。止まらない。下手くそ。なぜ自分はそんな最低な選択肢を選ぶ。
「やっぱあんた調子乗ってる......! ていうか......性格悪い......!」
「どう考えたって、そっちの方が性格悪いよ」
「なんだよそれ......! あんた......猫被っていたの......!」
「じゃあそういうことにしたら?」
猫を被る。確かに、外から見ればその言い方になるか。
「そうやって......! 人を騙して......! 城山君をたぶらかして......!」
たぶらかして、のところは否定しておきたい。
「なんなのあんたは......なんであんたなんかが......! あたしだって......あたしだって本当は......」
「本当は、なに?」
尋ねると、瀬戸内は元々が赤かった顔を更に真っ赤にした。
「最っっっ低! 覚えてろよっ!」
吐き捨てて、肩を怒らせ瀬戸内は立ち去っていく。余計な遺恨を生んでしまった。
最低、か。
それが、本当の自分か。
こうする。どうする。ああする。様々挙がる選択肢。普通なら。自分なら。
だから自分は。

ココロコネクト ミチランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト ミチランダム (ファミ通文庫)

しかし、この物語も、あと何巻かで終わる。
はて。
終わるとはどういうこと? 一体、なにが終わるのだろう。なにが「解決」されるのだろう。一体、この物語が終わるとは、なんだったのだ...。