民主党は何をしたのか?

今日、仕事に行く途中、駅前で、民主党のチラシを配っていたので、もらって、帰宅してから読んでいる。
つまり、2009年からの、民主党政権が、その任期の間に、何をしたのか、ということなのだが、素朴に思ったのは、

  • 非常に細かい

ということではないだろうか。よって、おそらく、このチラシの細部まで読む市民であり有権者は少ないのかもしれないが、とにかくも、このチラシが、民主党とは、どういった党であったのか(または、自分たちをどのように見られたいのか)をあらわしているように思えて、興味深かった。
暇なので、一つ、タイトルを拾いあげてみたい。

子育て

  • 子ども手当を経て新児童手当を創設しました
  • 妊娠・出産時に家計を助ける出産一時金の引き上げを継続
  • 妊娠健診の公費負担継続、不妊治療の助成を拡充
  • 一人ひとりに目が届く教育の実現に向けて教育体制を充実
  • 待機児童の解消を目指して保育所等拡充、定員増を実現
  • 子どもたちの安全確保へ小中学校の耐震化を加速
  • 高校実質無償化で中退者が減少
  • 生活保護母子加算を復活・継続しています
  • 児童扶養手当を父子家庭にも拡大しました
  • 大学授業料減免・奨学金制度の充実で学生支援

医療・介護

  • 診療報酬2回連続プラス改定十分な医療体制を整備
  • 肝炎対策を拡充
  • 24時間対応の訪問介護・看護スタート
  • 医療先進国並み医師数確保へ、医療不足の取り組み強化
  • ジェネリック医薬品の使用促進で患者の負担を軽減へ
  • 国民を感染症から守るためワクチンの公費助成を実現

年金

働く環境

  • パート、派遣など有期労働契約者の不安を取り除く法改正
  • 無年金・無収入をなくすため高齢者等雇用安定法を改正
  • 新しいセーフティネットとして「求職者支援制度」を創設
  • 戸別所得補償制度の創設で農業を再生
  • 非正規労働者221万人に新たに雇用保険の適用拡大
  • 派遣労働者の雇用環境を改善、「日雇い派遣」の原則禁止

税制

  • 公平で透明性の高い税制へ租持の透明化、廃止・縮減
  • 新たな雇用につながる法人税の特別税額控除を創設
  • 新しい公共」推進の一環として寄付税制の見直しでNPOを支援

障害者の自立

  • 障害者虐待の防止、早期発見へ国や国民の責務を定める
  • 障害者の差別禁止強化へ、障害者基本法を改正
  • 地域におる共生の実現へ障害福祉施策を講じる

こういった「一覧」を、もし自民党であったら作っただろうか?
非常に、民主党らしい(特に、民主党政権の前半の特徴なんじゃないですかね)。
上記を見ると、非常に子供向けの福祉が充実していることが分かる。特に高校無償化によって、高校中退者が、

  • 2008年度:2208人
  • 2009年度:1647人
  • 2010年度:1043人

と著しく減少していることには、非常に「革命」的な民主党政権の意味を感じてしまう(本当に、これだけでも、民主党が政権を取ってよかったと素直に思いますね)。
また、大学の授業料減免者の増加、奨学金の拡充は、これが十分な政策なのかは専門家じゃないので分からないが、自分も大学にいたことがあるだけに、少しでも大学に関わったことがある人たちにとっては重要な意味を感じているのではないだろうか。
(それにしても、民主党の大学政策というのは、どうだったのだろうか? だれか総括している人はいるのだろうか?)
あと、気になるのが、NPOへの寄付金の税額控除であるが、これも、どれくらいの効果があったのか、客観的な立場の人に、分析してもらいたいところだろうか。
民主党が政権をとろうとしていたとき、たしか、videonews.com の神保さんが、民主党の政策を検討した本を作られていたと思うが、できれば、その

  • 結果

を、「客観的」な立場の人から、

  • 細部(個々具体的に)

を「総括」して、じゃあ、次の選挙で、各政党が政権をとったら、そういったものは、どうなっていくのか、といった視点で議論を深めてもらいたい、と思うんですけどね。
(逆に、景気対策の話が少ない印象は受けますね。その辺りが、民主党的だった、ということなんですかね。)
おそらく、民主党の党員のほとんどは、こういった、

  • 細部

の、公共政策の充実を官僚と共に、進める、どちらかというと、「裏方」であり「実務者」的な作業に忙殺されていた、というのは本音なのではないのか、という印象を受ける。
だから、財務省を中心に進められた、消費税の増税のような「国民受け」の悪い政策を、簡単に通してしまう。内部から、そういったものが、どれだけの反発をくらうのかを考えたら、なにを優先してでも止めなければいけなかったはずなのだが、議員の一人一人は、「実務者」的に、こういった政策の充実の方に時間をとられていた、ということなんですかね...。