東京がニューヨークになるとして

さて。新型コロナであるが、政府は今だに緊急事態宣言を行っていないが、医師会が、医療体制に限界が迫っていることを理由に、緊急事態宣言を政府に要請したのと同時に、小池都知事も政府に早く緊急事態宣言をだしてほしいとほのめかしている。
さらに、クラスター対策チームの西浦教授が以下のように

  • 欧米に近い外出制限

という言葉を使って、事実上の日本の「ニューヨーク並み」の「制限」を期待していることから、さすがに政府も、来週には決断をせざるをえないのではないのか、と普通は考えるべきだろう。

人と人との接触 8割削減で感染収束へ 専門家グループ | NHKニュース

「欧米に近い外出制限を」 北大教授、感染者試算で提言: 日本経済新聞

しかし、今だに政府が宣言をしていないという理由は、そうだとして政府が今もっている「法律」による「規制」には限界があるわけで、おそらく政府はこの、今の法律の実行が大きな「強制力」がないという理由で、

  • やったとしても大きな効果が得られないのならば、すべてを「要請」によって、「事実上」これと同じ結果をだそう

と考えている、ということなのかもしれない。しかし、だとするなら、さっさと国会で時限立法を作ればいいんじゃないのか、と思わなくもないが、これは時間がないというより、そんなことを世の中の、なにも知らない一般人の見えるところで始めたら

  • パニック

になる、と考えて「正攻法」を嫌がっている、ということなのかもしれない。
感染者の拡大は、各国ほぼ同じような曲線を描く。それは、この「感染」という物理学的な(生物学的な)メカニズムが

  • 同じ

だからであって、東京の今の増加率がニューヨークのそれに似てきたという時点で、「ほぼ同じ曲線を描くだろう」と想像することは、(似たような人口密度ということを考えても)合理的なのだ。
では、なぜ今まで日本の増加率はここまで抑えられていたのか? その一端がつい最近、私たちの目に見えるところに現れたわけだが、それが

であった。専門家会議の記者会見で、この「実態」がさまざまに、当事者たちから語られたことで、彼らが

  • 何をしていたのか?

が、人々の目にはっきりと分かるようになった。つまり、今までは彼らが

  • 優秀すぎた

のだ。だから、ほとんどのクラスターが潰せたことで、日本の増加率は抑えられた。ところが、その

  • キャパの限界

が目の前に来ている。つまり、単純な患者の「増加」が、この運動の「限界」を示している。増えれば増えるほど、こういった「クラスター」単位ではもはや対処できなくなる。つまり、

  • ニューヨーク化

が始まる。しかしそれは、そもそもの感染症の「メカニズム」を考えるなら、避けられなかったと考えることもできるだろう。いち早く、徹底した「駆除」を、国民を

  • 徴兵制

することによって実現していたら違った? しかしそれは、「東京をあきらめる」と言っているのと同値にしか聞こえない。しかしそれを、もしも「平和時」に達成しようとしたなら、ほとんどの国民に聞いてもらえなかっただろう。
今だに、東京こそ「ユートピア」だといった、東京人の妄想をたれ流している本を何冊も書いて売っている「哲学者」が何人もいる、ってわけだろうw そんな状態で、誰がそれに耳を貸すんだろうねw
そういえば、今、ネット上ではクラスター対策チームの西浦教授が作ったとされているパワポの資料が流布しているが、これを見ると、なぜ軽症者は自宅待機を指示されるのかがよく分かる。つまり、たとえそれで「家族」に感染させたとしても、それで

にはならないから、というわけである。つまり、この政策は一貫して「クラスター化を防ぐ」ことを目的としていて、クラスターにさえならなければなんとかなる、という政策だったわけであろう。
しかし、である。
これを、もし「わかりやすく」国民に説明なんてしたら「パニック」にならないか? 3・11で津波から逃げるときでさえ、家族を探し続けて、津波に飲まれた国民だぞ? そんな簡単に家族を「あきらめる」ことなどできるのか?
今、東京都はさかんに、軽症者用の宿泊施設を確保しようとしているが、それはこういうことで、自覚のある患者はそんなに簡単に、家族と一緒の家に住むことに納得できない、という考えがあるわけであろう。でも、この考えを延長していくと、さらに「パニック」は大きくなる。なぜなら、この新型コロナは、多くの場合に「無症状」だからだw
さて。いずれにしろ、上記の西浦先生は「今から八割減」が収束の条件としている。これは、すでに自粛要請によって、7割減った今の人の移動「からさらに」ということなわけで、ようするに「ニューヨーク化」だ。
そう考えると、あまりにこの対応は遅かったのではないか、という印象を受けざるをえない。今ごろこんなことを言ってるのか、ということは、まあ、クラスター対策チームが、あまりにも今まで優秀すぎたから、この「方法」の能力を過信していた、というのはあったのだろう。つまり、彼らは「それ」に忙しすぎたのだ。
大事なことは、この先、感染拡大が起きようと、そうでなかろうと、何度でも第二次、第三次の流行が予想される、ということだろう。つまり、どっちにしろこれは「長期戦」なのだ。しかし、なぜ政府が緊急事態宣言をださないのかの理由は、

  • 新薬

に「期待」して、ということなのかのかもしれない。だとしたら、少し愚かだ。なぜなら、薬の開発とはそんなに簡単じゃないからだ。だとするなら、「治らない薬」を「治る」ということにさせて、治っていないのに、「みんな治った」ということにさせて、

  • 経済を続ける

ことで、政府は「ばたばたと人が死ぬ中で、人々は涙をこらえながら、会社に出勤する」といった未来を考えているのかもしれない。つまり、問題は「人の死にあまりにショックを受ける国民」の方だと考えている、というわけである。何人死のうが、何人この病気で苦しむことになろうが、どんだけ病院のベッドが足りなくなろうが

  • 国体のため(天皇のため)

に人々は、いつもと「変わらない」日常を送り続ける、そういった「国体ユートピアw」 を夢想しているのかもしれない。むしろ、死者が増えれば増えるほど、

  • 我が日本の「国体」は安泰だ

というわけである(国民が「カミカゼ」をやればやるほど、我が皇国の「精神」はどこまでも輝きを増し、強大になる)。まあ、国家にしてみれば、何人生き残ろうが、

あとのことは「どうでもいい」んでしょうね...。