東京「が」不安な人たちへ

どうもネットを見ていると、とにかく「東京」が「黴菌(ばいきん)」といいますか、自分たち地方が「汚れない」ために、東京を

  • なんとかしてくれ

といった発言が多く見られる。もう、今の状況で、人権がなんだとか言ってられない。東京は「黴菌(ばいきん)」なんだから、東京人がこの際、どんなに「人権無視」の扱いを受けようが、それによって地方が守られるんだったら、早く国家はそれをやってくれ、みたいな。
しかし、もしもそんなに不安なんだったら、早く、勝手にお宅の地方が「ロックダウン」と、「あなたたちが呼んでいるもの」(それが、具体的にどういったものなのかは知りませんが)をやられたらいいんじゃないでしょうか? まず、「県境の封鎖」ですよね。次に、東京からの物資の流入の閉鎖。
自分たちの地域が「あなた」が必要だと思う措置をやっていないことを理由にして、その代わりとして、東京を「あなたが思う」ように強制したいと思うのは、どういった「欲望」なのでしょうか?
私が意味が分からないのは、もしもそんなに「不安」なんだったら、あなたが

  • ジャーナリスト

になって、いろいろと「取材」をされてはどうでしょう? 本当に「あなた」が知りたいことはなんなのか? その知識を手に入れるのには、なにをすればいいのか? ネットの情報が断片的で、分からないことがあったら、どこを調べればいいのか? 調べても出てこないときは、どこに「取材」に行けばいいのか? なにか他人を「強制」したいと思う前に、そういった

  • ファクト

を知ろうとしないで、他者を「支配」したいと思っていることが問題なんじゃないですかね?
東京をどうするかは、東京が決めます(というか、これと似たことは、3・11のとき、福島の人が言ってましたね)。そして、今、東京が直面している問題は、新型コロナ問題というより

  • 医療問題

です。つまり、基本的な全ての問題のアラートは「医療関係者」から発せられています。
では、東京の医療関係者はどう考えているのでしょうか?
以下の、videonews.com の東京都医師会副会長の角田徹先生への、元NHKアナウンサーの迫田朋子さんによる、4月15日のインタビューは、無料ですので、そういった

  • 東京「が」不安な人たち

は見られたらいいんじゃないでしょうか?

角田徹:ただ一方で困るのは、80%は軽症がいるわけですよ。で、30%は症状がないんです。まったく。50%が軽い風邪症状。
https://www.youtube.com/watch?v=nyUD9GHKtbo

なぜ、季節性のインフルエンザで毎年、パニックになっていないのかといえば、圧倒的に重症の割合が少ないからなわけであろう。だから、まあ、ほとんどの人は病院から帰ったら、家で寝ている。では、新型コロナはどうかというと、この重症や重篤や死者の割合は「多い」けれども、それでも

  • 80%

という、かなりの割合が軽症(風邪並み以下)なわけです。つまり、インフルエンザと同じ、家に帰って寝てると治る(もちろん、最初に軽症でも、後から重症に変わって、後から入院に変わる人はいるけど、そうだとしても、結果としての割合が80%は変わらない)。

角田徹:ポイントは二つで、一つはコロナ感染者の疑いがあるかどうかと、あとは、重症化、肺炎等がないかどうか、その二つを見極めてもらうという役割があって、ここに書いている1から4が、肺炎の症状なんですね。熱がある(1)、プラス、息が苦しい(2)とか、胸の音を聴いて肺炎の音がする(3)とか、ないしは、経皮的酸素飽和度といって、簡単に血中の酸素飽和度を計れるもので、あれが、93%以下というのは、かなり落ちてますから(4)、1プラス2ないしは3、4があれば、肺炎が疑われます。
https://www.youtube.com/watch?v=nyUD9GHKtbo

ネット上のツイッターで、週刊朝日の記事のスクープを使って、東京都がPCR検査をストップしている「チャート図」として挙がっていた4項目は、そもそも、

  • 「肺炎」の疑いを確認すものの「部分」でしかない

となっているし、特に4の93%なんて、ほとんどヒットしないって言っていたことに関しては

  • 1かつ(2または3または4)

だった、というおちみたいですね。まあ、この件で騒いでいた人に対しては、どこかの医療関係者の方にツイッターで怒られていたような記憶がありますけど。

迫田朋子:それから、いくつも院内感染の報告がありますね。これも、なかなか大変で。
角田徹:おっしゃるとおりで、それも大きくて。あれは、ほとんどが、新型コロナの患者さんから感染っているんじゃないんですよ。まぎれこみ例なんです。つまり、今の状態は、新型コロナ感染症とわかっている患者さんは、きちんとした防護服を着ていますから、そこからの感染はほとんど、まず、ゼロです。ただ、なにか他の、骨折で入院してきた人が新型コロナ感染で、それで広がってしまう。まぎれこみ例がほとんどですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nyUD9GHKtbo

迫田朋子:そのときに、かかりつけの先生たちは御自身に感染する可能性については?
角田徹:あるんです。ただそれはデータがでていましてね。普通のマスクをして、毎回症例ごとに手を洗っていただくと。そうすると、それだけで、たとえば後でその方が新型コロナウイルス感染症だとわかったとしても、しっかりとした標準予防策というんですけど、それをした上で、診察をしていれば、濃厚接触にならないんです。つまり、感染の確率は低い。ただ、そのときに、ぼわって、咳やくしゃみを浴びると話は別なんですよ。そのときは、ゴーグルをしたりとか、フェイスガードをしてないとまずいんですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nyUD9GHKtbo

今、さかんに院内感染の問題が報道されている。それについては、上記にあるように、新型コロナ疑いの患者ルートに関しては、まず、ほとんどが

  • 医者側のガード

によって対処できている。つまり、あまり私たち一般の人たちが、極度に「自分がお医者さんに感染させてしまうんじゃないのか」と恐れる必要はない。そこは、お医者さんたち自身がガードをしている。つまり、ここで

  • ナイーヴ

にノイローゼぎみになる必要はないわけである。

角田徹:言われているように、全体の八割は人に感染さないんです。残りの二割が人に感染す。しかも、3密の状態っていう、環境の条件の下に感染しているみたいなんで。
https://www.youtube.com/watch?v=nyUD9GHKtbo

これも重要で、西浦先生がやっているような、理論疫学の統計的な観点からは、全体の感染者を減らすという目的から

  • すべての人

  • すべての行動

に対して、どういったことを気をつけてほしいかといった「要請」は行われているけれども、反対に私たち個人がこれを

  • 自分が感染して「重篤または死者」となる確率

または

  • 自分が感染して、自分が他者に「重篤または死者」とさせてしまう確率

と考えると、ずっと低いわけです。つまり、あまりに「ノイローゼ」のようになって、自責の念にかられて、自分を責めてというのとは、大分違うわけなんですね。
あとは、東京は疫学的追跡をやらなくなるんじゃないか、つまり、クラスター追跡班への情報提供のために、保健所が膨大な時間をかけて行っていた、聞き取り作業が、こと、東京に関しては、これだけの感染爆発が見られている段階なので、義務ではなくなることで、保健所の負担がなくなるじゃないか、といったことが、新しい情報だったでしょうか。
今後の話として、医療器具の不足や重症患者用のベッドの不足なども議論されているけれども、言われているような、

  • 指数関数的な感染爆発

が今後(今、いろいろな対策を行っていたとしても)起きてしまうのだったら、悲惨な結末が予想されるというのは変わらないけれども、日本の今の、一人一人がかなり注意を始めている状態で、ニューヨークのような、あそこまでの急激な短期間での増大が起きるのかというのについては、

  • 日本の医療機関のそれなりの充実
  • 日本の皆保険制度
  • 地域の「かかりつけ医」と住民のネットワーク

があれば、あそこまでは行かないんじゃないか、といった「楽観的」な見立てでしたね(分からないけど、玄関で靴を脱ぐなど、さまざまな日本人の「慣習」も、あと、BCGの話なんかも、いろいろ関連して、おそらくはあそこまでは行かないんじゃないか、っていう予想なんでしょうね)。まあ、これについては、少なくとも、東京の医師会はそう考えている、ということなんじゃないでしょうか...。