なぜ東京都医師会は緊急事態宣言の解除を断固拒否しているのか?

どうもネットを見ていると、ゴールデンウィークが終われば、緊急事態宣言を解除すべきなんじゃないか、といった意見が多く見られる。それは、ようするに東京の

  • 感染者の指数関数的増大の一定の「押さえ込み」

が、どうも「成功」しているように思われる、というところと、もちろん、この政策の経済への影響が考えられる。

新型コロナウイルス対策を検討する政府専門家会議は、1人の感染者が平均してうつす人数「実効再生産数」が4月1日ごろに「1」を下回り、感染が減少傾向に転じたとみられるとの分析をまとめた。「一定の成果が表れ始めた」と外出自粛要請など一連の対策を評価したが、人と人の接触の8割減は未達成で、減少ペースは緩やかだとした。
4月1日ごろ減少転じたか 外出自粛要請など契機―専門家会議:時事ドットコム

しかし、東京都医師会は、この前、会見を開いたように、緊急事態宣言解除に

  • 断固拒否

の姿勢を貫いている。なぜ、日本政府も東京都知事も緊急事態宣言の解除にしりごみをしているかといえば、こういった医師会の強い姿勢がある、と考えられる。言うまでもなく、医師会は、自民党の最大の政治圧力団体である。そもそも、彼らが医師会に逆らえるわけがないのだw
だとするなら、私たちは、たんなる「ボクノカンガエタサイキョウノ合理性」ではなく、東京都医師会の主張に「反論」しなければならない、ということになるのではないか?
つまり、これを主張しているのが、以下の東京都医師会の会長の、尾崎治夫先生だ。

尾崎治夫:そういったことをやって、あの電車通勤の流れも一時的に止めると。そういうことも含めて、今迄よりもそういう意味で厳しく八割以上の人の流れを制限するという対策をぜひ政府にやっていただきたいと思います。そして、感染を確認する人数もさらに減る。その減ったときに、ある程度の余裕をもって、さらに先手先手を打っていける。ということができるわけですから、私は今回の延長に対しては、そういったことをもう少し、しっかりと国の方にも考えていただいて、やっていただきたいと思っています。
【PCRセンター設置やコロナ専門病院について】東京都医師会 記者会見 生中継 - 2020/04/30(木) 16:30開始 - ニコニコ生放送

ここで会長が言っているのは、ゴールデンウィーク後も、一ヶ月くらい緊急事態宣言を延長するんだったら

  • もっと「厳しく」

やれ、と言っているわけで、例の岩田健太郎先生の、東京は次は「ロックダウン」だ、といった意見と、表面的には、言っていることは同じだ、と考えられるだろう。
しかし、それぞれが違うのは、岩田先生の方は「いまの抑え込みでは不十分」という認識からなされたものであったのに対し、会長の方は、たとえ今、効果がでていようが出てなかろうが、

  • どうせ「将来」には、第二、第三の「感染爆発」がやってくる

という認識から、今回の緊急事態宣言で患者を抑制して、病院に一定の余裕を与えることによって、「時間稼ぎ」を実現することによって

  • 医療体制を「将来の感染爆発」に備えて「準備」する時間が稼げる

から、となっている。
つまり、そもそもこの、ゴールデンウィーク後の緊急事態宣言の延長の判断規準は、すでに

  • 東京の指数関数的な感染爆発が抑え込めてきたか?

ではなくなっている、ということなのだ...。