リコリコ第3話

アニメ「リコリス・リコイル」は、オリジナルアニメとして現在放映されている。今は、第3話。
オリジナルアニメの性質として、どうしても、この世界の「説明」が必要となる。ストーリーを進めながら、この世界の世界観を説明していく必要があるため、どうしても、テクニカルな展開が前半は行われやすい。それは、第3話でもそうで、この短い時間に、多くのことを説明しないといけない。
なぜ、たきなはDAに戻ることに、そこまでこだわるのか? これを説明するのが第3話だったわけだが、それと同時に多くの情報がつめこまれている。
たきながリコリコにいる理由は、命令違反をしたから、となっている。つまり、懲罰的な意味だと考えるわけだが、たきな自身はDAに戻ることを希望しているのだから、その「条件」がなんなのかがポイントとなるはずだ。
しかし、話の展開は、戦闘時の通信障害の事実が隠されている、ということをもって、千束(ちさと)はそれを「ハッキング」問題と解明する。つまり、組織はそれがあまりに「あってはならない」問題でnあるがゆえに、上層部に言えない。いわば、その「まきぞえ」という形で、たきなの処遇を、このようにせざるをえなかった。
物語はむしろ、たきなの「居場所」を巡って展開される。たきながDAに戻れないのは、彼女がその条件をいまだに満さないからではない。端的に戻ることを「拒否」されているからということを知り、彼女は自らの居場所がないことを、千束に告白する。身寄りがないところをDAに拾われた彼女たちにとって、それはみんな、同じだったわけだ。それに対して、千束はリコリコが、たきなの居場所なんだ、と言う。
第3話は、たきなにとって、なにかが「解決した」という話ではない。解決していないけど、千束を見直した話であるし、世の中をもっと多様に見られるようになる話でもある。いや。もっと言えば、

  • すかっとした

話なんだ。ずっと悩んでいた、たきなが前向きに、一歩前進できた話として描ければ、十分なのだろう...。