弥助問題の補足

ここでは今までの議論で抜け落ちたかなと思っているところの補足を少し行っておこうと思う。
以前、平山さんとお菓子が、弥助が侍であるという論陣をはったことを書いた。そして今、そのときの平山さんの主張が、海外で英語でものすごい量が拡散されている。しかし、平山さんは自分は弥助が侍であることを主張することを意図したコメントではなかったといったようなニュアンスのことを語られていたように思うが、ちょっとこの辺りについては海外の状況を含めて、カオスになっている。
ただ、平山さんの主張については以前に私も検討したわけだが、以下の方はより分かりやすく、その懸念点を説明してくれている。

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つまり、信長が弥助に「さや巻」「私宅」を与えたから、弥助が侍だということの主張には欠点がある。つまり、「さや巻」「私宅」をもらったからといって、侍になったのか分からない例がそれなりにある、ということである。しかも、上記のツイートで重要なのは、信長がいろいろの人にそういった褒章を、けっこう気軽に、ほいほいと配っていた、という事実だろう。
さらに

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「さや巻」とはなにかという話もあったけど、普通に褒章的な飾り物って感じみたいですね。
次に例のファミ通の記事だけど、以下のツイートに修正前の履歴が残っていました。そういえば、さっき確認したら、オリジナルの記事のURLも切れていたようだけど、記事の削除をしたのかな?

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次に例の、なぜ弥助を主人公にしたのかに関しての「日本人がチビだから」問題だけど、厳密に言うと、6月11日の UbisoftForward というところでアサクリシャドウズのディレクターの CharlesBenoit が語っている、ということですね。

日本語:

なぜ侍のなかでも弥助を選んだかというと、本作のストーリーは歴史の転換点としての天下統一と、織田信長という非常に興味深い人物にまつわる出来事を中心にしているからです。弥助は織田信長の家臣として、天下統一を目指す側の立場で描かれています。

イタリア版:

ゲームの舞台を安土桃山時代、具体的には織田信長の台頭期に設定することを決めた頃にヤスケを含めることを決めた頃にヤスケを含める決定がなされました。調査を進めるうちに、ヤスケが実際に起こった主要な出来事すべてに関与していたことに驚かされました。「この男は誰だ?」と自問し、さらに詳しく調べた結果、「面白い、ゲームに登場させよう」と決めました。その後、シノビとサムライの2人の主人公を登場させることになり、両者の違いを際立たせる為に、"最大のサムライ" を探していたところ、再び弥助が話題に上りました。彼は常に議論の中心にいたので、主人公として登場させることを確定しました。

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ちょっとすみません。イタリア語の方の記事は見つけられていません。つまりそのオリジナルのソースまでは探せていません。まあ、上記の動画でそのイタリア語の記事と思われるエビデンスはいろいろ画面に写っているのですが、全部の個所が写っていないようですかね。まあ、いずれにしろファクトチェックはお願いします。
まあ、まず最初に思う違和感は、ここまで日本語版で別のものに変えるというメンタリティだよね。どうせ見つかるのに、なんでこんなことをするんだろうね。こうやって見る限り、日本語版もそのまま直訳で出すしかないんじゃないかと思うんですけどね。
あと、ここでの「最大のサムライ」の「最大」が身長のことなのかが、はっきり分かりにくいかな、多分上記は直訳なんだと思うけど。ただ、この動画のその後の海外の人のコメントを見ると、日本人の身長の低さを指摘しているコメントがけっこうあるので、イタリア語ネイティブの人には、自然に読むとそう解釈される、ということと解釈しているけど。まあ、確かにここで、「違いを際立たせる」って言っていて、シノビの方はナオエという女性になっているから、素直に読むと、サムライの主人公は二人が並んだときの、見た目のインパクトを考えて、

  • シノビ ... 女性、小柄、俊敏
  • サムライ ... 男性、大柄、パワー系

と言っていると受け取るのが素直な読み方には受け取れますね。でもさ。まったく意味不明なのが、ナオエは架空なのにヤスケは実在で「探した」とか言っていて、上記の「言い訳」の強烈な、でっちあげ感がハンパないよな。いやいや、最初から弥助前提だろって。
少なくとも、身長が低くて、ちんちくりんの男性の日本人は、どうもこのアサクリシリーズの主人公として、最初から求められていなかったことだけは確かですねw なんなんだ、日本を舞台で作りたかったって言っていたのってorz
次に、トーマスロックリーの海外でのインタビューですね。よく引用されるのが以下で、こちらは日本語翻訳をやってくれているのかな。

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たしか、このインタビューの中で、自分の日本語の本が「アカデミック(学術論文)」と言っていたんだと思うけど、別のインタビューで、その辺りを何度も問い詰められたけど、「アカデミック(学術論文)」と言っているって話は、以下の鼎談動画で最初の方に出てきます。

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まあ、そうですよね。あの本をちゃんと読んでいれば、インタビューで、ほんとにアカデミックなのかって何度だって聞き返したくなるよね。普通の人だったら。
最後に私がちょっと、びっくりした、かなり正確に英語で今回の弥助騒動について発信されていた動画があったんだけど、それが以下:

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これ。英語だけど、かなり今回の弥助騒動の日本側の議論を正確すぎるぐらいに理解しているw
(とりあえず私はユーチューブの字幕機能で英文と比べながら見てたけど、ほとんど知ってる話だから、だいたいわかるんだよね。)
しかも、弥助が「いずれ大名になる」っていうトーマスロックリーのデマも、原文が「一部の聴衆がそう噂をしていた」って書いてあるから、彼のデマだって話までしていて、いや。こんなレベルの発信をしてくれている人までいるんだな、って驚いたわ。まあ、そうなんだけど、どこまでこの話って向こうの人に伝わるのかね、細かすぎて。まあ、どうも海外は「弥助が侍だという証拠がない」の一点でコンセンサスができているみたいだから、それはそれで、分かりやすいし、いいのかなって思ってますけどね。
(すみません。まだまだ、触れていないソースの確認はあると思いますけど、思い出したらやるかもです。)


追記(2024/07/29):
そういえば、例の平山先生だけど、海外では弥助が侍だと主張した学者ということで、ひっぱりだこだけど、彼も最初にツイッター言っていた持論から撤退しているんだよね。実際に自分が弥助が侍だということを証明したとは言っていない。そうじゃないと推測したに過ぎないと本人が言っているんだけど、もうずっとお平山先生の名前が海外でどんどん拡散されてしまった。

そういや武田に名字のない侍も居る、で出した資料がこれ一族の連盟だろ、ってバレたんだっけ
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なんと、名字のない侍は発見されていなかった、と。なんだったんだ、この議論は...。