S・ヴェイユ『労働と人生についての省察』

シモーヌ・ヴェイユというのは、ヨーロッパ哲学の中では、象徴的な人ですね。女性であり、ハイデガーと同時代でしたっけ。それで、この本では、マルクス主義を理解するために、工場で、労働者と一緒に働いたときの日記なんですけど、彼女は学者であり、文化人ですから、ブルジョアであり、体が弱い。日記を見ると、ほとんど、偏頭痛に苦しんでばかりいる。ほとんど、戦力になってないんじゃないか。
だから、産業革命の頃のイギリスがそうですけど、労働条件なんてメチャクチャなんで、やりたいだけやっているということでしょう。資本主義といったら、そういうことだったわけだ。それが、社会主義国が勢力をもって、資本主義国も、福祉を始めたけど、社会主義国がほとんどなくなって、資本主義国が考えることは、なんとかして、国民を騙して、福祉を減らすこと、ですね。また、メチャクチャな労働条件に、すぐ戻りますよ。

労働と人生についての省察

労働と人生についての省察