斎川眞『天皇がわかれば日本がわかる』

この本は、中国や日本の権力、つまり、国家が、自分たちを、どういった理由で、自分たちを権威付けてきたか、自分たちの支配をどのように正統付けてきたかが分かる。
だから、聖徳太子の時代までは、中国に朝貢して、属国として認めてもらうことが、近代勢力の仲間入りできるというので、それが目標みたいになってるんですよね。全然、それが普通だったわけです。
それを、聖徳太子が、日いずる国どうのこうので、ナショナリズムの溜飲を下げたみたいな話にんされるんだけど、そもそも、聖徳太子なんていなかったんだろ。いずれにしろ、さんざん中国から勉強させてもらって、何が国風文化だ。全然、違うんだろ。
まあ、いいんだけど、相当違うんですな。朱子学の名分なんて。なんにもあるわけない。もともと、ムリスジってことですわ。
まあ、そういった視点でこの本を見ると、戦後の日本というのは、戦前までの、ちょっとした、マイナーチェンジでしかない、とも言えるのだ。
だから、こういったこと、そこに、官僚なんてのは、自分の支配の正当化を勝手にしているというわけですね。いくら、庶民が、官僚を糾弾しようと、彼らの支配の正統性の根拠を、民主主義じゃなく、こういったものに求めているわけだから、庶民なんて、ゴミくらいに思っていることでしょう。

天皇がわかれば日本がわかる (ちくま新書)

天皇がわかれば日本がわかる (ちくま新書)