スーザン・ジョージ『なぜ世界の半分が飢えるのか』

この本では、70年代くらいに書かれたのかな、どうして、先進国では、これほど、食料を残したり無駄に捨てたりしているのに、第三世界では、なぜ、飢えて死ぬ人がこれほど多いのか、ということについて書いてある。
ようするに、先進国の企業や、先進国や、その先進国のお偉方で組織されたIMFのような国際機関が、こういった第三世界の人と、ビジネスをやるわけですよね。また、第三世界の国の一部には、富裕層がいて、そういう人間とつながる。そうすると、彼らは、自分たちがもうかるシステムを導入し、維持しようとする。しかしそれは、彼らはもうかるかもしれないが、どう考えても、その土地の貧乏人を幸せにするものではない。
少し前に、テレビでやってたんだけど、なんか、フランスの会社がアフリカのどこかの国で水を作る会社を作りやがった。でっかい施設をつくった。すると、そこの水は品質はいいかもしれないが、値段が高い。つまり、そのお金を払えないと、水でさえ手に入れられない。早い話が、そんなに値段のはる施設が必要なのか、というところから、本当はあるはずですよね。そこでほしいものはそんなものでないかもしれない。でも勝手に来て、勝手にそういうビジネスを、上の富裕層と結託して始めて、勝手に地域の水を独占しやがった。
まあ、もちろん、日本のはるか遠くの国といっても、日本の政府、企業もあこぎに向こうでやってる人間もいるだろうし、当事者じゃないなんてとても言えないだろうし(というより、正義という観点で言いたければ、一刻も先進国がなにかしろ、という話でしょう)、格差社会とか、今ごろ日本でも言われ始めたくらいですから、自分のこととして考えるようになるんでしょうけど。

なぜ世界の半分が飢えるのか―食糧危機の構造 (朝日選書 (257))

なぜ世界の半分が飢えるのか―食糧危機の構造 (朝日選書 (257))