山崎養世『道路問題を解く』

山崎は、高速道路の問題は、料金を徴収するところだという。つまり、料金を徴収などという面倒なことをするために、そのための関所を作らなければならず、一般道からの接続を簡単に多くの場所に作れない(お金がかかるから)。
山崎も書いているが、少し前までは、道路公団民営化をやっていたはずである。しかし、その結果は、民営化された会社がその借金を返すわけではなく、ある独立行政法人に、その借金だけ、おしつけているわけです。民営化された会社は、借金を全然、返してないわけです。だから、その借金が完全にデッドロックになったら、独立行政法人ですから、完全に国民が税金でなんとかさせられるわけです。
なんでこんなことになるのでしょうか。やはり、猪瀬直樹を思い出しますね。彼の振舞いは、象徴的でしたね。彼は、民営化について、少しは前進なんだから、評価して、肯定しなければならない、というロジックを使っていました。そうでなければ、昔に戻ってしまうと、国民を脅して(この猪瀬を徹底的に糾弾したのが、あの桜井よしこである)。しかし、そもそも、彼がこの問題の委員になるにふさわしい存在だったのでしょうか。
同じような、大きな疑いを、宮台が、ゆとり教育に関わっていく過程にも、感じますがね。
猪瀬は作家であり評論家だが、同じようなタレント的に政治に関わった人として、元東京都知事青島幸男を思いだします。もともと、テレビの世界の人気者であった彼は、威勢よく 、国会議員で活動していた後、都知事になります。しかし、彼は、都市博の中止をして後から、ことごとく、自分の公約を破り続けます。しかし、彼は、自分の都政を自画自賛し続けた。そういうKYの態度をし続けている間に、国民はこの人間がいかに信用のおけない奴であるかを学習する。それと同時に、テレビの中での、無邪気でかっこよかった笑いの人気者の幻想がこのように無邪気に壊されることに、なんともいえない遠い感覚をもつ。彼は、その後、国会議員に立候補するが、落選し、そのまま、ガンで亡くなる。
こういう感じで、タレント的に振舞う人たちが、政治の中心の力学に引き寄せられていき、客寄せパンダ的に振舞い、へんな勘違いをして、えらい先生みたいに、わかったようなことをのたまい続ける。

道路問題を解く―ガソリン税、道路財源、高速道路の答え

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