スティーヴン・ランズバーグ『フェアプレイの経済学』

これが、竹中平蔵を有名にした本

に出てくる、有名な公園で遊ぶ子供の話のネタモトだ。

つまり、所得再分配といえば聞こえはいいが、実際には、そのようなレトリックを本気で信じる人などいないということである。

なぜここまで断言できるかというと、娘を持った経験からである。娘を公園で遊ばせていて、私はなるほどと思った。公園では親たちが自分の子どもにいろいろなことを言って聞かせている。だが、ほかの子がおもちゃをたくさん持っているからといって、それを取り上げて遊びなさいと言っているのを聞いたことはない。一人の子どもがほかの子どもよりおもちゃをたくさん持っていたら、「政府」をつくって、それを取り上げることを投票で決めようなどと言った親もいない。
もちろん、親は子どもにたいして、譲りあいが大切なことを言って聞かせ、利己的な行動は恥ずかしいという感覚を持たせようとする。ほかの子が自分勝手なことをしたら、うちの子も腕ずくでというのは論外で、普通はなんらかの対応をするように教える。たとえば、おだてる、交渉をする、仲間はずれにするのもよい。だが、どう間違っても盗んではいけない、と。

さて、これを、あなたは、どう読みますでしょうか?少なくとも、文系の経済学部を選択して、竹中の授業を選択した人は、恐らく上記のイデオロギーを常識と感じるくらいに洗脳されないと、単位はもらえないかもしれないね。
じゃあ、こう考えてみましょう。ランズバーグさん。あなたの国のマッカーサーは、戦後、日本の財閥を解体し、農地解放をしました。なぜですか。
ランズバーグさん。どうして、あなたの国の黒人奴隷は解放されたんですか。
ランズバーグさん。どうして、あなたの国はイラクを侵略して、勝手に石油を採掘してるんですか。
おもちゃなんて全然もてない多くのお友達の中で、たくさんのおもちゃで遊んでるデリカシーのないお宅の娘さんに、教えてあげてやって下さいな。

フェアプレイの経済学―正しいことと間違っていることの見わけ方

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