堀内進之介「民主主義の危機から、危機の民主主義へ」

宮台さんと堀内さんという若い弟子の方との対談。あいかわらず、学者内部のジャーゴンにみちた、つまらない予定調和の議論。

「内発性」の話に戻ると、日本では「市民宗教」を所与の条件として考えるのは困難です。パーソンズのように「内発性」を埋め込めという場合、今、埋め込み可能な「内発性」はどのようにして可能なのか、という問題は宮台さんも何度も検討されてきました。天皇制やアジア主義を持ち出して議論されていましたが、さすがにどうもそれもありそうもない(笑い)というのが最近のお考えではないでしょうか。過去、日本の思想史をたどれば、天皇制やアジア主義を持ち出した論者は大勢います。そして、宮台さんが擁護するのとは逆の意味での硬直した超越性にからめとられていきました。「超越性」という用語への誤解を懸念すると同時に、彼らが一様に陥った隘路を宮台さんもたどる「危険」があるのではないか、ということを弟子としては危惧していたわけです。

という、堀内さんの発言への、宮台さんの応答は以下。

天皇への帰依こそ日本の市民宗教だったとするベラーの議論をなぞっただけですがね(笑い)。

少なくとも、堀内さんの方は、こういう宮台さんの傾向を気にはしているということは言いたいみたいですかね。まあ、両方とも、結局、何やってんのかは、別に知らないんで、評価なんてないんですけど。

論座 2008年 07月号 [雑誌]

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