柴田明夫『水戦争』

最初にあるグラフを見ると(図表3 世界の人口推移、22ページ)、世界は、すさまじいまでの、人口増加である。だいたい、一年で、1億人くらい増えているんだそうだ。しかし、なんでこんなに増えているのか。そもそも、こんなに増えていって、世界はどうなるのだろうか。
次にあるグラフは、さらにおもしろい(図表4 世界の穀物収穫免責および単収)。収穫面積は、80年代をピークに下げ止まりしている。しかし、単位あたりの収穫量は、ずっと増えている。収穫量は、それなりにずっと増えてはいるようなのだが、それはすべて、単収によるものなのだ。では、なぜ、単収が増えているかというと、大きな理由は、灌漑設備の充実である。
これが、どういうことを意味しているかと言うと、灌漑設備があるということは、水が、日差しに毎日触れ、その多くが、蒸発している、ということなのだ。地球上の水のうち、海水でない、淡水は、わずか0.3%でしかない。
世界中、どんどん、砂漠が大きくなっていっているという話もある。なにか、人間のこの水の利用、土地の使い方、こういったことに、根本的な無理があるのではないか。なにかを、間違っているのではないか。
いったい、これから、どんな世界になっていくのか。