NHKスポーツ大陸「笑わないエース 栗原恵」

内容が、とても興味深かった。前回のオリンピック出場が決まったときは、ずっと笑顔だった彼女が、今回は、ほとんど笑わない。というより、前回のオリンピックから、彼女は、公的な場では、それほど笑わなくなったということなのでしょう。
前回のオリンピックで、彼女のプレーが、まったく通用しなかったこともあるのでしょう。海外の実績のある監督がいる別の実業団のチームに移籍したため、一年間、試合に出れなかったこと。かかとの骨折のため、日常的に痛みがあったが、選手生命にかかわるため、骨の除去は行わず、筋力トレーニングでカバーしたこと。そういう個人的な苦行のような日々の感覚からの自然な反応という面はあるのでしょう。
ただ、世界のバレーボールは、ヨーロッパでのプロ・リーグの発展もあって、大きく変化している。世界の技術は、どんどん進む。単純に体力だけの問題ではないというのだ。
そういえば、スパイクを打つという行為は、どこか、野球のピッチャーを思わせますね。プロ野球の野村監督は、ピッチャーの癖を徹底して研究して、何度も三冠王になったそうだが(他方、野村の終生のライバルだったのが稲尾だが)。ピッチャーには、なぜいい成績を残す人とそうでない人がいるのか。なぜ球速は遅いのに、バッターがいつも打ちづらくしてる人がいるのか。そんなところに、なぜスパイクが拾われるのか、なぜスパイクがブロックで防がれるのか、そんな、ピッチャーの孤独な闘いに、アタッカーとの共通点を感じるんですけどね。