ネパール王政の廃止

240年続いたんだそうだ。しかし、なんと言っても、2001年におきたネパール王族殺害事件が決定的だっただろう。
ディペンドラ王太子が、父・ビレンドラ国王ら9人もの王族を一度に射殺して、自分も自殺を図ったとされる事件。この後、ビレンドラ国王の弟・ギャネンドラが極端な専制政治を行う。
しかし、どうも、この事件はうさんくさいのだそうだ。つまり、この事件の後、実権を握ったギャネンドラだ。本当は、だれが、王族を抹殺したのか。結局は、国民の支持を得られず、今回、王政の廃止となったということらしいが、その一番の理由は、この地位の正当性だったのであろう(それにしても、ミャンマーの軍事政権もそうだが、アジアはなかなか民主制が根付かないですね)。
天皇制も同じであろう。彼らは、よくイギリスの立憲君主制を学んでいる。よく、支配の正当性、正統性の根源を、DNAなどの、血のつながりを言う奴がいる。
しかし、そういうことを言っている奴ほど、歴史を見ていない。天皇家がえんえんと兄弟の間で、骨肉の殺し合いをしてきた歴史を。幼稚なのだ。根本的な間違いは、そもそも、だれが、天皇家の墓を管理していく担当者なのか、であって(前に書きましたが)、そこに、国の政治を誰がやるかなど、なんの関係もないのだ。
だから、政治ということで言えば、孟子の言う、徳治政治をやってるかどうかでしょう。国民の信頼がなければ、いかなる支配も、次の政治体制に禅譲されてゆかざるをえないのだ。
小島毅が書いていたが、そもそもの根本の間違いは、天皇という呼び方であろう。「国王」なのだ。天皇天皇と名乗り始めたとき、別に、朝貢国が幾つもあったわけでもない。たんに、中国の皇帝が、エンペラーだったから、自分たちもそれに並び立つ名前にしなきゃ、ってこういう名前を付けたのだろうが、皇帝なんてたんなる定義の問題であって、そうとしか呼べないからそう呼ばれてるんでしょ。だから実体と違う呼び名を自称するという、田舎者根性まるだしで、とりまきが勝手にこういう呼び名を始めるから、こういうわけのわかんない、おこちゃまみたいな言い訳に終始しなければならなくなる(完全に国内向けの呼び名なのだ)。別に、天皇自身が自分を天皇と言っているのかは知らないけど、恥かしくて、あんまりよう言えないんじゃないですかね。