NHKドキュメント挑戦「想いを左手にのせて」

ピアニストとして、大学院に通う、内藤裕子さんは、ドイツに留学する直前、ジストニアという病気になり、右手が動かなくなる。絶望の毎日を送っていたところ、その留学先から、奇妙なことに、いいから彼女に留学に来るように、と言う。
左手が動けばそれでいい。
これはどういうことなのか。実は、ドイツには、多くの、片手だけでひける曲があるし、そういう演奏会が、普通のピアノの曲と同じように、行われている伝統があることを知る。
ピアノを片手だけでひくというのは、独特の技術を花開くことになる。とても、器用に、独特の味わいのある、音の世界を実現する。
彼女は、絶望する必要などなかったのだ。やっていることはずっと同じ。最初から、なにも変わっていなかった、ということだ。